夢幻水滸伝
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第二百五十六話 湖南省からその十三
「普通に借りたお金はな」
「返すもんや」
「そやからな」
「借りたらやな」
「返すで」
その時はというのだ。
「絶対にな」
「ほなな」
「まあ今は借金せずに済んでるけどな」
「何とかな」
「むしろ貯金がある位や」
今の自分達の勢力はというのだ。
「有り難いことにな」
「かなり内政に使ってるけどな」
「内政は返ってくる」
使う即ち回した予算の分だけというのだ。
「そやからな」
「使ってもええな」
「軍事費は使うと返らんが」
出費だけである、軍隊は生産性を持たない組織なのでどうしてもそうなるのだ・
「そやけどな」
「それでもやな」
「使わんとあかん」
「それで使ってるが」
「しかしな」
これがというのだ。
「戦になるとな」
「滅茶苦茶増えるな」
「その出費だけのもんがな」
その軍事費がというのだ。
「それでや」
「困るな」
「ほんまにな」
こう言うのだった。
「やらなあかんことでも」
「出費だけやとな」
「他に使わなあかんのにな」
「間違っても先軍政治なぞしますと」
白は深刻な顔で話した。
「破綻しますね」
「出費しかないとこに滅茶苦茶注ぎ込むとな」
「必然的にそうなりますね」
「勢力の予算の四分の一とかになったな」
「五分の一でぎりぎりですね」
「そや、もうや」
そこまで軍事費を多くすると、というのだ。
「もうな」
「その時はですね」
「破綻するわ」
「そうですね」
「そうなるさかいな」
だからだというのだ。
「自分も先軍政治はな」
「されないですね」
「国が豊かであってこそな」
そのうえでというのだ。
「強い軍も出来る」
「国が富んでこそですね」
「そや、まして世界を救うのなら」
それが自分達がこの世界でやらねばならないものであるからだとだ、施は白に対して強い声で語った。
「軍にのみ力を注ぎ込んで国や民は後回しやとな」
「国も民も痩せ細るばかりです」
蒲が答えた。
「そうなります」
「起きた世界の北朝鮮になるわ」
「ほんまあの国ですね」
「あの国はそこに将軍様の贅沢があるさかいな」
「そこに予算の二割ですね」
「これも出費ばかりでや」
まさに浪費である、独裁者個人の国家の私物化と言うしかない。
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