おっちょこちょいのかよちゃん
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230 ジャコバン派の三巨頭
前書き
《前回》
杯の所有者・安藤りえの奪還に動くあり達は馬車の部隊を発見する。馬車から出て来た者達はギロチンの刃を出して攻撃してきたが、虞美人の瞬間移動の能力で瞬間移動した事でその場を何とか切り抜けた。そして杖を奪われ、奪還しに行くかよ子達の元にギロチンの刃を飛ばす者達が現れる。そして東アジア反日武装戦線の佐々木則夫も現れ、地割れでまる子、大野、ブー太郎が地中へと落ちてしまう!!
あり達は先程交戦した東アジア反日武装戦線の一人と革命家のような男三名を追っていた。
「奴等はあっちの方角です!」
北勢田が指を差した。
「よし!」
その時、通信機が鳴る。
『こちらイマヌエル。先程君達が戦った相手だが、彼等は嘗てフランス革命を指導したが後に恐怖政治を行って民衆に圧力を掛けた男達だ!』
「こちら煮雪悠一。了解した!」
『それから君達の所にまた敵が攻めて来ている!気をつけよ!』
「はい!」
通信が終了した。
「何処だ、一体!?」
濃藤は運命の剣を差し出す。剣を差した方角の更に先を見透かした。そしてまた別の敵が来ているのを確認した。
「あいつらか!」
(この遠距離で奇襲できるか!?)
濃藤は自分の通信機で本部にまた連絡する。
「こちら濃藤徳嵩!俺の運命の剣で遠方の敵を確認した!俺の剣で相手に近づかずに攻撃できるか!?」
『こちらイマヌエル。大丈夫だ。普通にやるとよい』
「了解!皆、俺の剣で敵の正体が見えたぞ!」
皆は濃藤の剣の先を見た。丸く映像のように敵が映し出されている。
「よし、俺が蹴散らしてやる!」
立家の手甲爪から電撃が放たれる。
「俺も手伝うぜ!」
北勢田も電気の矛で放電する。丸く映った映像を通して敵にダメージを与える事に成功した。
「でもなんとかしてぶつからないようにしたいわね・・・」
ありは懸念していた。かなり多くの人間がいるので、全員倒す前に直面してしまう可能性もあるのだ。
(当たらないようにする・・・。そうだ!!)
奏子はある事を思い出した。剣の奪還に成功し、戦争主義の世界の本部から遠ざかる際に剣を持っている事がバレないよう、自分の羽衣に三河口と濃藤を乗せた時、濃藤の剣を自分の羽衣に刺して姿が見えないように飛んでいた事があった。ここで同じ手が使えるか。
「私、バレないように移動できるやり方があります!」
「奏子ちゃん!?」
「濃藤君、剣を私の羽衣に刺せる?」
「え?どうすんだ!?」
「三河口が取って来た異世界の剣を運ぶ時と同じように羽衣に乗ってる私達の姿を消すの!」
「そうか、それなら何とかなるか!」
「よし、攻撃は中断だ!先を急ごう!」
悠一が北勢田と立家に呼び掛けた。
「了解!」
濃藤は剣で遠方透視をやめて奏子の羽衣に刺した。そして羽衣の速度を上げて先を急ぐ。
佐々木規夫の地割れ攻撃でまる子、大野、ブー太郎が地面の裂け目に落ちる。
「ま、まるちゃん、大野君、ブー太郎!!」
「まる子お〜!!」
友蔵が絶叫し、その場で泣き崩れた。
「おっと、爺さん、泣き喚くな」
佐々木が友蔵を射殺しようとする。だが、大政の槍がそれを防ぎ、大政は友蔵を羽根の上に乗せた。
「待ってくれ、まる子が、まる子があ〜!!」
「アンタはここにいろ!」
大政はその場で友蔵を監視し、止めた。
「おっと、嬢ちゃんの手術を施そう」
マラーが近づいている。
(先程の能力では跳ね返されるな・・・)
マラーは1メートルの所で接近するのをやめ、ナイフのような物を取り出した。
「な、何するの・・・!?」
かよ子は慌てて武装の能力を発動させる。しかし、マラーは跳ね返りも倒されたりもしなかった。
「貴様の異能の能力は解除させた。さて、これで死んで貰う!」
だが、マラーは全く動けなくなった。
「な、う、動けん!?」
「させるかよ!」
「お前は周りが見えとらんな」
関根が忠治の刀で金縛りにさせ、綱五郎がマラーのナイフを刀で弾き飛ばした。
「ふ、それで私を倒せるとでも?」
マラーは余裕だった。ギロチンの刃を発動させる。関根も綱五郎も何とかギロチンを刀で弾きかわすのが精一杯だった。
「山田かよ子、羽根に乗れ!」
「う、うん!!」
かよ子は慌てて羽根に戻る。
(まるちゃん達は・・・!?)
かよ子は羽根の上から地面を見下ろす。まる子達が落ちた地面の裂け目を確認した。
(どうしよう、まるちゃん達が襲われたら私のおっちょこちょいのせいだ・・・!!)
かよ子はオロオロした。その時、脳内で声が聞こえる。
[かよちゃん、私よ、のりちゃんの人形、キャロラインよ]
「キャロライン!?」
[今まるちゃんと大野君とブー太郎君は私の瞬間移動能力で別の場所に移したから心配しないで!]
「あ、ありがとう!」
かよ子はのり子の方を見る。のり子はキャロラインと合体しており、ギロチンの刃を粉々にしていたのだった。
(のり子ちゃんに助けられた・・・か)
のり子は石松、お蝶、大五郎と共にまた別の革命家と対峙していた。
「このダントン様に楯突くとはいい度胸だ!」
四人にギロチンの刃、そして指から光線を放つ。ギロチンをかわしても光線が更に襲って来る。お蝶がまともに光線に当たってしまった。
「奥方!!」
「う、動けぬ・・・!?」
「その光線に当たったら動けなくなるぞ!ハハハ!!」
ダントンは動けなくなったお蝶にギロチンを向けた。だが、激流で流された。
「汚い手を使うな」
椎名の玉の能力だった。
「貴様か!大人しくやられて貰おうか!」
ダントンがギロチンの刃と光線を椎名にも向ける。椎名の武装の能力も相まって中々効かなかった。
(わ、私はどうしよう!?)
かよ子は高見の見物状態で何もできない自分が歯痒く思った。その時、銃撃と爆発がかよ子の羽根を襲う。
「うわあ!!」
結界が発動した為まともなダメージは受けなかったが、かよ子は驚いて羽根から落ちそうになってしまった。
「能力が使えなくなっても羽根は使えるのか!マラー、あの羽根も何とかできるか?」
「やってみよう」
マラーがメスのようなナイフをかよ子の羽根に向ける。大政も迎撃態勢に入る。
「させるか!」
マラーの手を炎が襲った。
「あちちち!!何だ!?」
マラーは火傷で手からメスを放してしまった。
「まるちゃん!ブー太郎!大野君!!」
地割れで埋められたと思われたまる子、大野、ブー太郎が現れた。
「おお、まる子!良かった!!」
友蔵は孫が生存していた事での感動の涙を流した。
「生きてたのか!」
「私のキャロラインの能力よ!」
のり子が名乗った。
「チッ!」
その一方、次郎長はギロチンの刃を投げる男の一人と刀とギロチンを交えながら問答する。
「一体貴様らは何者なのだ!?」
「私はロベスピエール。マラー、ダントンと共に革命を指揮したジャコバン派の三巨頭だ!」
「ジャコバン派・・・。恐怖の独裁とやらをやった連中か!」
次郎長達はロベスピエール達のギロチンを防御し続け、持久戦を強いられる。
シャルロットにオーギュスタン。彼等は革命の同士達を連れて先程兄が戦ったという人間を始末しに出向いていたが見えない奇襲を受けた事で事態が混乱していた。
「な、何だったのかしら・・・!?」
「姉貴、我々の見えん所から攻撃して来たんだ!遠隔攻撃だ!」
「もしかして、この周囲の何処かにいるのかしら?」
シャルロットは周囲を確認する。しかし、何も見えなかった。
「何処だ、姿を現しなさい!!」
しかし、返事は聞こえず、姿も何も見えなかった。
「何も見えないんじゃしょうがない。もしかしたら我々の目に見えない所を通り過ぎたかもしれないよ!」
「何ですって!?」
シャルロットは策の立て直しをするしかないと思った。
「よし、四方に分かれましょう!オーギュスタン達、先へ行きなさい。私は一度引き返すわ!他の物は本部側、敵の領土側に行きなさい!」
軍団は分割した。
羽根に乗ったかよ子と友蔵を守るべく組織「次郎長」の三人組、大野、ブー太郎、まる子は各々の石を使ってマラーに佐々木と交戦する。
「てめえら!今度こそ死にな!」
佐々木が銃を地面に撃ち、別の地割れを発生させる。
「二度と同じ手を食うか!」
大野の草の石が発動される。茎や蔓が地面の裂け目を繋ぎ、ハンモックのようになった。
「ふふ、そんな脆いもん、切り刻んでやる!」
マラーがギロチンを飛ばす。
「ま、まる子ーー!!頼む、孫だけは〜!!」
友蔵は孫の命乞いをしたが、羽根から落ちそうになり、かよ子と大政に静止された。だが、ギロチンの動きが止まる。大野の草の石で出した太い蔓がギロチンを全て掴んで止めていたのだった。
「大野君、凄いブー!」
「ああ、ブー太郎、さくら、今だ!」
「うん!」
ブー太郎は水の石を、まる子は炎の石でマラーと佐々木に攻撃する。
後書き
次回は・・・
「共闘戦線を張る」
ジャコバン派のロベスピエール、ダントン、マラー、そして東アジア反日武装戦線の佐々木則夫と抗戦する藤木救出班だったが、なかなか倒せず一進一退の攻防が続く。杖がないかよ子は羽根の結界で防御するしかできなかった。そんな時、その戦闘現場にあり達が現れる・・・!!
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