おっちょこちょいのかよちゃん
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231 共闘戦線を張る
前書き
《前回》
東アジア反日武装戦線の佐々木則夫の地割れ攻撃でまる子、大野、ブー太郎が地面の裂け目に落ちそうになるが、のり子の人形・キャロラインの能力で三人は別の場所に移動された事で事なきを得る。だがかよ子の武装の能力がマラーの術で使用不能にされてしまい、羽根の結界に頼るのみとなってしまった。だがのり子の人形で瞬間移動されたまる子、大野、ブー太郎の三人が反撃に出る!!
ロベスピエール達を追うあり達は濃藤と奏子の道具で人目に見られずに移動していた。そして通り過ぎる集団を見下ろす。
「あいつらだよ。さっき近づいていた奴等は」
濃藤は確認した。
「ならほっといて先に行こう」
その時、通信機が鳴る。
「こちら煮雪あり」
『あり、私よ、母さんよ』
「母さん!?」
『さっき、あり達が戦った人達いたでしょ?そいつら、今かよちゃん達と戦ってるんよ!』
「かよちゃんと?」
『うん、あり達が向かう道とはそんなに外れてないから援護してあげんさい!』
「は、はい!」
ありは母の命令に畏まった。
「あり、かよちゃん達と共闘する事になるのか?」
「うん、そうね。さっさと片付けた方がかよちゃんも杖を取り返すのに専念できるかしらね」
あり達は急いでかよ子の救援に向かう。
かよ子達は東アジア反日武装戦線の佐々木規夫にジャコバン派の三巨頭・ロベスピエール、マラー、ダントンと交戦中だった。大野、ブー太郎、まる子の三人が佐々木とマラーを力の石で攻撃する。
「やったかブー!?」
しかし、マラーのギロチンの刃が全てを相殺させていた。
「ダメだったか!!」
「この革命の証であるギロチンを甘く見るな!」
マラーのギロチンが三人を襲う。
「ももこちゃーーん!!」
キャロラインと合体したのり子はまる子達の方へ目を逸らしてギロチンの刃を止めた。
「この野郎!だがそれだけで済むと思うな!」
マラーはメスを出した。のり子とキャロラインの合体が強制的に解除されてしまう。
「な・・・!」
「小娘、お前をまず殺す!」
「の、のりちゃん!」
まる子は慌てて先に進もうとするが、佐々木が立ちはだかる。
「あのガキを助けたかったら俺を倒してからにしな!」
「くう!」
まる子は炎の石で火炎放射した。佐々木も銃で迎え撃つ。まる子は何とか炎の壁で守ろうとするもその場で爆発が起き、向かい火をつけられた。
「さ、さくらが焼き殺されるブー!」
ブー太郎は慌てて水の石で消火した。しかし、その間に佐々木は先に進んでかよ子の乗る羽根に近づいていた。
「次はお前だぜ」
「い、いやじゃ〜!命だけは、この老いぼれジジイの頼みを聞いてくれ〜!」
友蔵の無駄な命乞いをよそにかよ子は羽根の結界を発動させ、大政も槍で対抗する姿勢を見せた。
(私の所に来る!)
かよ子は先程のマラーの術で異能の能力は使用不可となっている。自分が戦うには羽根の結界に頼るしかない。
「ここで死ぬ訳にいかないよ!」
一方、ダントンを相手にする関根や椎名、石松らはギロチンと光線の併用で防戦一辺倒になっていた。
「あの光線に当たっても、ギロチンに当たっても致命的だ。分担だ!」
「おう!」
椎名と関根は光線の防御を、石松や綱五郎、小政や大五郎も加わった面々がギロチンの防御に出る。小政が身体の小ささを活かしてダントンの背中に回り込んだ。
「喰らえ!」
「近づけても無駄だぞ!」
ダントンの背中からギロチンの刃が飛び出した。小政は慌てて刀で回避した。
(ちい、近くからでも遠くからでもやられねえなんてよ、面倒臭え野郎だぜ・・・!)
小政は幾度も近接攻撃を仕掛けようにも悉くギロチンで防御されてしまう。
ロベスピエールを相手に戦う次郎長や大五郎、綱五郎、仁吉などは速攻かつ自在にギロチンで攻撃・防御を繰り返す相手に打開策が見つからず、持久戦を強いられていた。
「こうしてい続けられるのも時間の問題だぞ!」
「くう・・・!」
親分の次郎長ですら体力が消耗し果てていた。
(くう、この状況を打破できる手を見出す事ができれば・・・!!)
かよ子の羽根の元へ佐々木の銃撃が襲う。だが結界で何とか防御を続ける。
「お前のその羽根の結界は中々の硬さだな!」
「そ、そんな銃で穴開けられるほど脆くないよ!」
かよ子は言葉で対抗する。
「そうじゃ、そうじゃ、無駄な事を何度やっても無駄じゃぞ〜。ははは!」
友蔵は勝ち誇ったかのような言い方をした。対して佐々木は別の銃を取り出した。
「ならこの銃が赤軍の岡本公三の神の能力が流し込まれれていたらどうなるかな?」
「神の能力・・・?まさか!」
かよ子は気づいた。この男がこの羽根に宿る仏法の結界を破る術を持っているという事に。
次郎長は何とか考えながらも刀を振り続ける。その時だった。ギロチンの刃が一瞬、消滅した。
「何、消えた!?」
そして、次郎長の刀がロベスピエールの首を撥ねようとする。しかし、ロベスピエールは何とか回避した。
「遅くなってすまん。大丈夫か!?」
「お、お主は!?」
次郎長達、ダントンと交戦する石松達、そしてマラーや佐々木と交戦するかよ子達も確認する。佐々木はかよ子の羽根に銃を向けたが二匹の鳥が現れて佐々木の弾丸を防御した。
「あれ、隣のおばさんの所のお姉さん!!」
かよ子は一集団の到着を確認した。護符の所有者の姉・煮雪ありとその夫・悠一、杯の所有者の友達の藤沢鈴音と溝口みゆき、そして見知らぬ男子高校生二名、三河口の友人である濃藤徳嵩、北勢田竜汰、徳林奏子、そしてこの世界の人間と思われる人々がいた。
「追いついたわね」
「貴様ら!?な、シャルロットやオーギュスタンはどうしたんだ!?」
ロベスピエールは先程戦った相手を見て驚愕する。
「上手く会わずにすり抜けてやったんだよ!」
「やっつけさせてもらうよ!」
援軍が現れた中、戦いが再開される。
本部の管制室。まき子達は杖の所有者の元に援軍が駆け付けた様子を確認した。
「どうやら煮雪あり君達の到着が間に合ったみたいだ」
「よかった、かよ子・・・」
「あり、何とかするんよ」
まき子と奈美子は娘達の健闘を祈る。
かよ子達藤木救出班は杖の所有者の救出に向かう者達と合流した事でその面々と共に共闘する事になった。濃藤や立家、鎌山、項羽に虞美人はロベスピエールの方を、北勢田、悠一、シャクシャインや阿弖流為、母禮はダントンを相手に、そしてありや奏子、鈴音やみゆきはマラーや佐々木との戦いに加勢する。奏子はそれぞれを羽衣から降ろし、あり達と共にかよ子の元へ急いだ。
「幾人来たって無駄だ!」
「どうかしら?」
鈴音が錫杖を振る。冷凍攻撃でマラーを凍らせる。
「くそ、寒い・・・、動けん!!」
「マラー!くそ、神よ!」
佐々木は上空に銃を打ち上げた。巨大なマリアが出現する。
「あれは・・・、クリスマス・イブに見た!」
かよ子はあの聖母マリアを思い出した。クリスマス・イブの日にさりの護符を守る為に名古屋で赤軍と激しい戦いをした時に岡本公三という男が出した聖母マリアだった。
「エク・カムイ!!」
ありが唱える。アイヌの神のうち、風を司るレラカムイ、雷を司るカンナカムイ、そして大地を司るシラムパカムイが現れた。
「神を使うなら私が行くわよ」
神同士の戦いが始まる。
後書き
次回は・・・
「独裁者達の玉砕」
かよ子達藤木救出班にあり達の加勢でジャコバン派の人間達、そして佐々木が召喚した岡本公三の聖母マリアに共同で対抗する。果たしてかよ子達はこの戦いを乗り切る事はできるのか。そしてレーニンと杉山はある場所へと向かっていた・・・!!
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