人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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30話 止まらないProgram
「お前ら!!!!」
クロックアップスピードでフルボトルバスターのキャノンモードでエイムを合わせて発射する。辛うじてバトルレイダーにその牽制攻撃が届いて、千歌たちへの攻撃は未然に防がれた。
「チッ—————!お前ら!!そいつらを早く廃棄処分にしろ!!」
「お前——————やめろよ!!!!」
サウザーの意思にまるでロボットかのように従っているバトルレイダーは、俺にはすでに人間ではないと錯覚させた———————錯覚している暇などない。妨害を...............!
「甘いぞ、才!!」
「スペクター!!」
「ダイヤさんまで!?どうしてここに!?!?」
「たまたま通りかかったところを、稜さんがバイクで物凄いスピードを出してここまで来ていたので一体何事かと思って来てみたら———————!」
「また1人ハンデが増えてしまったけど............」
ハンデは1人増えたが、スペクターという半ば協力者は現れた。これでバトルレイダーとの戦いは任せられる。一方のヘクラスとケタロスはムゲン魂が善戦を繰り広げているから安心できそうだ。
「よし!お前らを攻略する時間はまだたっぷりあるぜ!!」
「ごちゃごちゃと青二才が!!!」
「全員まとめて廃棄処分だ!!!」
同時に襲いかかってくるサウザーとソーサラーを旋回斬りでその勢いを跳ね返す。サウザンドジャッカーの突きを華麗に避けてからの回転光刃でサウザーにダメージを与える。そして深入りしたところを背後から俺に到達しようとするソーサラーを背後蹴りで吹き飛ばす。
一方のスペクターはガンガンハンドの銃モードでバトルレイダーと距離を取りながらの戦闘を繰り広げる。
バトルレイダーが持つ機関銃が火を噴く。流石に多人数から連射は全て防ぐのは非常に難しい。スペクターはそれを察知してゴーストチェンジを実行する。
≪カイガン! ノブナガ!≫
ノブナガ魂の武器複製能力を使って、ガンガンハンドを20本ほど生成する。そして一斉砲火をバトルレイダーに浴びせる。多数の銃火器で連射というのはまさしく武田の防御力の堅い精鋭騎馬隊を根こそぎ倒して能力以上の力を発揮した長篠の戦いでの織田信長軍そのものである。その意思を継いでいる英雄眼魂も大したものだ。
≪鋼鉄化!≫
スペクターは自分の武器にエナジーアイテム鋼鉄化を与える。そして鋼鉄化されているガンガンハンドの眼マークを自分のベルトにかざす。
≪ダイカイガン! オメガスパーク!≫
≪インベイディングボライド!≫
20本ほどの火縄銃がエネルギーをチャージし始める————————それに応じてバトルレイダーも短機関銃に紫色のエネルギー弾をチャージし始める。
バン!!
互いの必殺技の相殺が行われる。無数のガンガンハンドのエネルギー弾をインベイディングボライドで相殺されてしまう。だがそれこそがスペクターの狙い通りなのだ。
バン!!
スペクターが最後に放った鋼鉄化された最大威力の必殺技。その弾丸は見事に等速直線に進行して、バトルレイダーの鋼鉄の装甲たちを抉り貫いた。
そこに残されているのは、傷ついて息を上げているサウザーの強面の護衛たちであった—————————————————————
仮面ライダーゴースト ムゲン魂vsケタロス&ヘクラスも決着こそついていないものの内容としては相手にとっては無理ゲーこの上ない。
それもそのはず、クロックアップボタンは俺が押し込みすぎたがためにそう易々と起動できないようにしてある。クロックアップさえ使えないのであれば、ムゲン魂のワンサイドゲームとなるはずだ。
その前に———————2人を倒せば..................!
「やられたか................面白い!ちょうどいい実験材料を用意してやろう。」
「実験材料?」
「よそ見するな!!」
サウザーの行動に一応の疑念を抱いていたところをソーサラーがその隙を狙って薙刀による突きを喰らわせてきた。当然ダメージなど受けたりはしないのだが。
≪ラビット!≫
攻撃のお礼にブレードで斬ると見せかけて、ソーサラーが俺との距離を詰める。そこでフェイント攻撃———————振り下ろす仕草を咄嗟にやめて、ブレードの刃を折り曲げてキャノンモードに切り替える。ここまで来れば、こちらのものだ。
≪フルボトルブレイク!≫
至近距離でのキャノンモードのフルボトルブレイクは距離を開けて放つよりも、威力は格段に上がっていた。それはノックバックの仕様にも現れていた。
少し距離を開けたところでサウザーに視点を移す。俺に対抗するつもりなのかガシャコンバグヴァイザーで再びピクセル化したデータを放出する。
その実体を顕したのは—————————————黄金の雪の結晶。
「あれは..............!」
「さぁ存分にデータを取るがいい!フリーズロイミュード!!」
「フリーズロイミュード!?ぐわっ!!!」
「スペクター!!」
現れたその雪の結晶—————もといフリーズロイミュード超進化態は冷気と形容しても不足するような高エネルギー光線をスペクターに喰らわせる。咄嗟にガンガンハンドでガードして直撃を避けた。もし当たっていたならば、最悪死んでいたかもしれない。
「何て威力だ———————!」
「スペクターの息の根を止めろ!!」
「何命令してんだこの野郎!!」
フルボトルバスターのブレードで怒りの3連撃をサウザーに喰らわせる。
スペクターは銃をフリーズロイミュードに連射しまくるが、起こされたブリザードによってその銃弾が凍ってしまう。それだけでなくそのブリザードは本体そのものにその冷気を与える。あまりにその冷気は強すぎるのか、スペクターのフードは凍ってしまっている。
そしてその空気は10mほど離れてその戦況を見ているAqoursの6人と虎太郎、ダイヤに鞠莉に果南にも伝わる。
「何か寒くない?」
「『寒くない?』じゃないわよ!!度を超えた寒さよ!!」
「善子ちゃん、お団子が凍ってるずら。」
「何こんな時にお団子って——————うわっ!!私のシニオンが〜!!!!」
「あれ?でも善子ちゃんそっちが本体なんじゃ——————」
「違うわよ!!」
「こんな時に争うな————————来やがったよ..............」
「待て——————!!!」
スペクターはこちら側へ何とか来させまいと奮闘するが、冷気弾を思いっきりヒットして地面に倒れ込んでしまう————————
「スペクター!!——————まずい!!」
「そうだ!!フリーズロイミュード!!Aqoursを廃棄処分しろ!!」
「————————俺がやらなきゃ.............................」
「よせ虎太郎!!」
虎太郎はフリーズロイミュードの進路を妨害するように立つ。それを排除対象とみなしたフリーズロイミュードは容赦無くブリザードを浴びせる——————
黒の稲妻は再び光る———————!
アークルが自動的にその姿を闇のクウガへと再び変え始める。
アークルは変身者の危機が迫ると自動的に展開される————————今の虎太郎にとっては、変身=暴走ということに他ならない。アークは自動調整したのだ。危機が迫れば、強制的にその体を蝕むというプログラムが....................
暗闇が虎太郎青年の体を飲み込む。そしてアークルから重低音が鳴り響く。闇の稲妻はその体に吸収される———————————この世の悪意そのものとも揶揄された邪悪がその黄金を纏った究極の闇を形成する................
「そんな..............」
「またあの姿———————!」
「———————————!」
「「「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」」」
アルティメットクウガは右手の暗黒掌波動を振るい、一帯にいるライダー全員とフリーズロイミュードに闇を与える。俺はムテキの力で辛うじてそのままでいることができた。だが、至近距離にいたスペクターとフリーズロイミュード、さらに戦いを続行していたサウザーとソーサラーをも巻き込んでいる。
先に狙われたのは1番近くにいたフリーズロイミュードだ。その首根を絞めるように持って苦しめる。そしてストレートパンチをヒットさせる。
サウザーとソーサラーは流石に脅威に感じたのが一時休戦して、互いに闇へと攻撃を仕掛ける。サウザーはサウザンドジャッカーに保存されていたコングの豪腕を、ソーサラーはバニッシュストライクで光の球を放つ。
それにAIのように反応したアルティメットクウガは両手で暗黒掌波動を放ち、その技を消滅させて、さらにサウザーとソーサラーに邪悪の波動を与える。
ドスドスと忍び寄っては、地面から立ち上がろうとしていたソーサラーの顔を思い切り蹴飛ばす。屈辱なのかフリーズロイミュードはクウガに好戦的に挑んでいく————————が、厄介がましく思われたのかそのまま持ち上げられて地面に叩きつけられ、その鳩尾を踏み捻る。そして止める————————それを確認するような動作をした途端に、顔に回し蹴りを喰らわせる。
スペクターがアルティメットクウガの背後でようやく立ち上がったのを、察知したのか背後に向かって掌波動を放つ。その技が致命傷となって、スペクターが変身開示に陥る。
「稜!!大丈夫か!?」
「ああ————————」
「誰か救急箱か何か持ってないか?」
「ルビィ、絆創膏なら持ってるから貼ってあげる。」
「助かる——————!」
顔の切り傷と膝の擦り傷以外は特になかったので、そこにクマさんとゾウさんの可愛い絆創膏を稜に貼り付ける。
「アーク................私にその力を見せてくれ!」
「———————————」
サウザンドジャッカーをアルティメットクウガの装甲に突きつけようとするが、軸を90度回ってそのジャッカーの先を掴む。
グググという力が入っているとよくわかるような音が聞こえてくる。サウザーの力は日に日に上昇はしているものの、アルティメットクウガの成長率には圧倒的に劣っているのだ。
掴まれてはダメだと判断したサウザーはキックでノックバックを与えて、サウザンドジャッカーとアルティメットクウガとの離させる。
そして剣のようにそれを振るって、1回2回と確実に当てていくのだが———————ダメージがほぼ無い上に首を持たれて絞められる。
暗黒の右スマッシュでサウザーを地面につける。そして闇のオーラがクウガを纏い始める。その力はやがて足へと凝縮され————————必殺技 アルティメットキック。
≪ジャックライズ! JACKING BREAK!≫
≪ディフェンド! ナウ!≫
ソーサラーとサウザーは互いにアルティメットキックへの防御準備を整えるが、フリーズロイミュードは最後の足掻きにブリザードを喰らわせようとする————————のがいけなかった。
発火する———————冷たく冷徹な体に紫の炎が燃えたぎる。
超自然発火能力とはまさにこのことである。フリーズロイミュードは体の位置がプラズマ化することで発生するこの炎を消すことなど不可能だ。
コア部にまで発火が届きそうなフリーズロイミュードを前に《《その》》準備は整ってしまった————————————闇のキックが上空に飛び上がる。
ドゴォン!!!!!!!
一瞬だが大地が揺れたかと錯覚されるようなとてつもない轟音が響き渡る。
闇の力を携えたキックはフリーズロイミュードを原子レベルにまで完全に破壊し、跡形もなく消し去られていた。
そのバックにいたサウザーとソーサラーにもその威力は確実に届いている。防御壁を張っていても、シャインクリスタでもその攻撃には全くの無意味であった。変身は当然解除され、その生身もアルティメットの離れた両端に吹き飛ばされる。
「一体何が...............................」
「突然あの怪人が燃えたかと思ったら————————」
「パイロキネシス..........超自然発火能力だ。おそらく原子を操って体の一部をプラズマ化させたんだろう。」
「そんなことが可能なんですの!?」
「ああ、ダイヤ。それが俺たち仮面ライダーの力———————————善くも悪くも強力な力だ。」
「—————————」
「そろそろ止めなきゃマズい!」
アルティメットクウガが2人を変身解除に追い込むのは好都合だ。だが生身に攻撃されるのは良くない。特に自然発火など使われてしまっては、命などあるはずがない。
フルボトルバスターに『ラビット・タンク』を選択していないフルフルラビットタンクフルボトルをセットする。
≪フルフルマッチでーす!≫
この必殺技はフルボトルバスターの使用しているフォームによって特徴が大きく変わる。例えば、仮面ライダービルド ジーニアスフォームであれば虹色に変化する。
俺の場合は黄金に輝く刃となっている。
≪フルフルマッチブレイク!≫
アークの遠隔操作を受けているその体から繰り出されるそのパンチをスラッと躱し、中腰になってそのベルトへと刃を触れさせる。黄金の回転光刃がクウガのベルトにヒビを入れ、クウガの体に稲妻が走る———————やがてその邪悪な鎧を消滅させる。
周りを見回せば、俺以外に変身を維持している者は誰もいなくなっていた———————
≪ガシューン! ガチョーン!≫
ムテキガシャットとマキシマムマイティXガシャットをドライバーから引き抜き、自身の黄金の装甲を流星に戻して変身を解除する。
「大丈夫か?」
「ああ..............」
「まさかその者にそんな力があるとは..............」
「流石はアークの力か..........................実に興味深いものを体験させてくれました。」
「お前ら——————!」
サウザーと黒澤天青から一言ずつコメントを頂いたところで、Aqoursと一緒に鞠莉、果南、ダイヤそして稜が先ほどまで戦闘地帯であったところまで近寄ってくる。
その父親たちに第1声を発したのはダイヤであった。
「お父様———————どうしてこのようなことを..........!」
「この内浦を...........我が黒澤家を..................守るためだ!!」
「でもこのようなことをしなくとも———————」
「甘い!!」
黒澤天青は我が娘で実質の跡取りでもあるダイヤに対して諭しを含んだ叱りを与える。
「現に見ただろう!?小原は内浦をたとえ武力を持ってしてでも我が黒澤家を滅ぼそうとしているのだ!!私の役目は黒澤家の我が内浦における治世を維持すること!!それを邪魔する者であるならば、太古から続く力をも使って止める!!」
「そんな..............しかし鞠莉さんは関係ありません!」
「ダイヤ.............」
「黒澤のお嬢さんの言う通りだ.............」
「何だと!?」
「オハラエンタープライズの名の下にこの内浦を開発し、新たな街を我々小原家の根拠地とする—————————やがてその動きは日本全国に広がるでしょうが。あなた達にはじきに奴隷として活躍する時期がやってくるでしょう...............」
「そんなことは私がさせない!!この町は———————素晴らしいこの町を!!!」
横暴な父親の意見に真っ向から反対する鞠莉に対してサウザーは呆れたような表情で言い返す。
「鞠莉ィ——————小原家としての誇りを忘れたか!?」
「それがこの町のみんなを傷つけるものだったらそんな物は最初からないわ。」
「全てはそこにいる松浦果南と黒澤ダイヤの仕業だ...............たとえ切り離したとしても幼少期から汚染された心は変わらなかったということか。」
「—————————————どういうこと?」
鞠莉が呈した疑問にサウザーは自身の行動、俺たちにとっては悪行を自身ありげに吐露し始める。
「全てはお前をアメリカに連れ戻すため..............内浦という何の価値もない町からお前を連れ戻すために私は浦の星の教師を通じて何度も留学を持ちかけたが————————悉くお前の意思で断られてきた........................」
「この町が大好きだったからね——————!」
「そこで私はお前の母親———————妻が急病だと偽ることにした................」
「!?!?!?!?!?————————通りで私が来たときには治ってたわけ!!」
「そこであらかじめ留学の手続きをしておき、お前をアメリカの高校に通わせた..................予想以上に早く卒業したが...................致し方ないだろう。だがその1年があるかないかで、スクールアイドルをやり続けるという運命は大きく変わったのだ——————————」
「酷い......................どうしてそんな事を————————!」
「私は企業イメージ、家柄のイメージの向上のためなら何だってやってやる!!逆にそれを下げるような連中にも然りだ!!」
「お前————————!」
何回目だろうか。この小原兆一郎という男に怒りを覚えたのは————————いや、そもそもサウザーと呼んでいる時点で俺が忌み嫌いきっていることは誰にだってわかるだろう。そして今現在も—————————
「お前本当に父親なのかよ!!!!!!」
「何?」
「お前は本当に鞠莉の父親なのかって聞いてるんだ!!家柄のためとか、企業イメージとかそんなことのために娘を右往左往しようとするなんて、親のやることじゃない!!!!!子供は道具じゃない!!!!!!!!」
「私の娘だ。親が子をどうしようが私の自由だ—————————!」
「俺はお前を認めない。人を奴隷のように扱うお前を俺は絶対に許さない!!!!!!!!!!!!」
人間の悪意——————————それは目の前にある。
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