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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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31話 探し求めるFeud


〜〜〜東京 小原エンタープライズ社屋〜〜



少しばかり時は遡る。


「姉さんが帰ってきたのはそういう事だったのか.................」
「ああ、鞠莉は融通が聞かなかったからねぇ。先に高校課程を修了させておいたのだよ。お前と同じように大学課程も修了させて起きたかったが、無理やり戻ってしまった。そこで理事長の権限を与えて支配に目覚めさせようとしたのだが————————上手くいっていないようだ。」
「姉さんの意思は———————ないんですか?」
「何だと?」
「アメリカの高校に行くことに、姉さんの意思はなかったんじゃないんですか?」
「意思................それは彼女の意見ということか?」
「まぁ.....................」
「なぜ私が彼女の意見を聞かなくてはならないんだ?」
「え?」
「言ったはずだ————————————-私は皇帝(サウザー)でお前は王だ。皇帝がなぜお前達に意見を求めなくてはならないんだ?」
「それは......................」
「私がそう判断したから実行したまでだ。常に頭に入れておけ————————



















皇帝()の前では全ての者共が奴隷(道具)であるという事だ。





—————※—————











「ちょっと待てよ!!教えてくれてもいいじゃないか!!」
「何度も言うが、断る。」
「何でそんなに答えたくないの?」
「お前たちに理解できるはずもない。あいつらの苦しみを———————」
「じゃあ、わかった。でもこれならその理由は通らないはずだ。」
「他に何があるんだ?」
「—————————何で2年間内浦から居なくなってたんだ?」
「!!」


果南達のことは本人達に聞けばいい————————大体のシナリオはできているのだが、それは確信が得られないことも多いし、まだまだ繋ぎが何かがわかっていない—————————だから稜から聞き出すのはそれで十分だ


「何言ってるの才くん。稜くんはお父さんの仕事の都合で引っ越したんだよ?」
「それは名目に過ぎないんじゃないのか?————————実際、父親は東京暮らしなんだろ?」
「—————————何でお前がその事を知ってるんだ!?」
「俺の力を舐めないでもらおうか。天っ才仮面ライダー伊口才をな。」
「なるほど——————それなら答えてやってもいい。」
「じゃあ、改めて聞かせてもらう。何で2年間もの間、内浦から姿を消してたんだ?」
「——————————————小原兆一郎の仕業だ。」
「.................やっぱりか...............」
「単刀直入に言えば俺の親父の会社はオハラエンタープライズの子会社だから、その影響で転勤したんだろう。そして現に俺をさらに遠ざけるためにアメリカに渡らせたんだ。」
「ご丁寧にそんな事を———————」
「でもどうしてその時無関係な人をあからさまな転勤を..............」
「その答えは簡単だ。」
「え?才君知ってるの!?」
「大体な———————————果南と鞠莉とダイヤのスクールアイドルを支えていたから—————————だろ?」
「流石だな。どんなに時が過ぎても、小さい時からずっと、お前は天才だよ。」





稜はそう微笑しながら俺のことを讃える。もちろんこれは事実極まりないことなのだ。流石は10歳で世界最高峰の大学を複数受けて、卒業認定させた男ではある。


そんな事は置いておいて稜の話を聞こう。





「俺の母親は俺が生まれてすぐに死んだ。だから父子家庭で父親だけを見て育った。親父は沼津で研究の仕事をしながらも俺を育ててくれた。母親の愛は受けられなかったけど————————その代わりになってくれたのがこの町であり、お前達であり、果南、鞠莉、ダイヤだ。」
「だからスクールアイドルをあいつらがやるって言い始めたときに...............俺も誘われたときに喜んで受け入れた。その意見は俺と同じだったからな。」
「でも————————果南が休学したり、鞠莉がさっき言った通りのことになったりといつの間にか消えていた。そして転勤—————————につながる。これ以上は俺も言えない...............いや、正確にはわからない。」
「そうか...............てかわからないなら最初からそう言えよ。」
「でも—————アイツらに起きた出来事は知っている。《《それ以外》》のことは言えない。」
「それ以外?」
「そのままの意味だ————————」



















一抹の疑問を皆に抱かせてその場を解散する。刻はすでに10時を下がっていた————————













—————※—————










「ふわぁ..................眠いよ.............」
「お疲れ様、天才少女ちかっち。」
「明らかにバカにしてるけど、反撃する気力もない...............」





バスに揺られながら欠伸をしている千歌。彼女のアホ毛がいつもとは違う場所にいらっしゃるのが睡眠不足であるという何よりの証拠だ。バスに遅刻しそうになったのか制服も第1から第3ボタンまで外して、着崩している。


もちろんJKが第3まで到達すれば下着とかそういう類いも見えてしまうのだ。そのオレンジ色に実ったしなやかな弧は男子にとってはなかなかの強敵ではある。


と、冗談はここまでにしておいて地元のニュースを見る。『未解決殺人!真相は—————』か...........そういえば沼津でそんなことがあったな............犯人はいるのか............





「千歌ちゃん、いつもとヘアピンが逆になってるよ?」
「うわ!本当だ!ありがと曜ちゃん!」
「それにリボンも結んでないじゃない。第3ボタンまで開けるなんてはしたないわよ。」
「だって急いでたんだもん!!仕方ないじゃん!!」
「だからって.............!」





千歌は曜と梨子の手助けを借りてようやく元の制服に戻る—————————ほんと、あのままいたら何処ぞの輩に襲われるぞ..........................




バスはやがて浦の星学院へと到着して、俺たち4人を下ろす。さてこのバカチカは授業に入ったらどんな感じになるのだろうか..........................





———————————————





「死にそう..................」
「大丈夫。脈拍、呼吸、血圧。どれも正常だな。」
「そんなデータだけで計っちゃってさ—————————」
「バーカ、お前みたいな安直な奴ならそういうメーターは正直になってくれるんだよ。」
「それはいくらなんでも酷過ぎない!?」





お、怒った怒った———————————ここからは俺のステージだ(?)


このまま千歌を弄りで虐めまくる。千歌は普通怪獣だからこそこういう風に弄れば、俺好みの反応をしてくれるのでこの癖はやめられないな。でもそれは千歌の頻度が多いだけで、ターゲットになる相手は俺の気まぐれによって決まるのだ————————————こんな俺はドSなのか..............?


だが今日はいつもの流れにはいかなかった。





「そういえば果南ちゃん復学したんだって。」
「果南ちゃんが!?」
「うん、今日から学校に来るって!」
「やっぱりあの話は本当だったみたいだな..................」
「それで鞠莉さんは!?」
「さぁ....................?」
「それは私は聞いてないからまだわからないけど.........................」
「そういえば稜君も一昔前はこの浦の星の共学化テスト生だったわよね?」
「ああ。ダイヤ曰くそう言ってたけど、多分転校と見なされたんじゃないかな?」
「いや.....................休学だ。」
「休学?」
「でもそれじゃあ理由にならないんじゃ.................」
「いやその理由はサウザーの権力を持ってすれば休学の理由なんかどうにだってできる————————————そもそも深天稜が休学って示す休学届が提出されてたしな。多分、転校を通達したけどそれを放置したまま休学...................ってことになったんだろう。」
「そっか..............................」
「「「うーん———————」」」
「ん?」





千歌が上から舞うように降りてくる何かの気配に気づく。それに反応するように俺たち3人も反応するのだが——————————1人だけ違う方がいました。





「くんくん..................制服っ!!!!!!!!」
「オイ!!!」
「「ダメ!!!!!!!」」





曜に搭載された制服マスターたる能力の制服センサーが見事に引っ掛かったのか、天から堕天してきたその制服をあろうことかベランダから乗り出してキャッチする。だがそのような体勢になれば、胴体が空中に浮くことになり地球の重力がそれを引き寄せる。


俺は地球からかかる重力すらも忘れて、クロックアップでもしたかのようなスピードで曜の後ろに立ち、横隔膜付近を両手で掴みその自由落下を防ぐ。俺だけでなく千歌と梨子も足を掴んで俺をサポートしてくれた。





「あ————————!」
「お前................制服で命粗末にすんなよ..............」
「これって................スクールアイドルの?」
「これが落ちてくるってことは...............!」
「急いで行こう!!」





支えられている曜が躍起になっているところで俺には弊害が発生している。


逆赤ちゃん持ちをしているような状態である俺。横隔膜といえばわかると思うが、当然ながら乳房まで数ミリという状況が続いている、いや既にもう触れているのかもしれないが。


そして俺の目の前には実際にその豊満なヒップとそれを覆うストッキングが堂々と俺の目の前にある——————————————大丈夫?俺逮捕されないよな!?






———————————————————






「うぉ、虎太郎!それに花丸とルビィ!お前らも来てたのか。」
「えぇ..........まぁ。」
「それよりこの人だかりは....................」





3年生の教室にやってきた俺たち4人。教室の黒板前にある教壇前に元凶があるようだが...............................怒声が聞こえる。





「もぉ〜!離して!離せって言ってるの!!!」
「いいと言うまで離さない!!強情も大概にしておきなさい!たった1度失敗したくらいでいつまでもネガティヴに——————!」
「うるさい!!『いつまでも』はどっち!?もう2年前の話だよ!?!?大体今更スクールアイドルなんて!!!!もう私たち3年生だよ!?!?!?!?」
「2人ともおやめなさい!みんな見てますわよ!!」




え?ええ???——————————え?


ちょっと待ってくれ、あまりにも状況がシュールの極みかつ万物の発生以前(カオス)過ぎるのだが?天才の俺が理解に苦しむということはきっと低レベルである。うん、間違いない。


状況としては、鞠莉が果南に駄々こね抱きついている。シュールすぎるのはその状況をダイヤが子供のように縮こまった感じで注意していくという状況—————————酷い。






「ダイヤもそう思うでしょ!?」
「やめなさい!!いくら粘っても果南さんが再びスクールアイドルを始めることはありませんわ!!」
「何でよ!!あの時の失敗をそんなに引きずる事!?!?チカっち達だってすでに再スタートしてるっていうのに!!!」
「千歌たちとは違うの!!!!!鞠莉にも他にやるべきことが沢山あるでしょ!?!?!?!?」
「———————————!」
「千歌ちゃん!」
「虎太郎..................流石の俺も見てられない..................」
「才————————止めるべきだけど、止めはしない。」
「ああ...................」





千歌はそのカオス状況に参戦するのか、できている人集りを掻き分けてその目的地に進む。俺はその成り行きを見たいという理由で、千歌の後を追って広がりに出たところで黒板に格好をつけてもたれかかる。


そして——————————!
















「いい加減に〜!!!!!!!しろー!!!!!!」





















学校中の鏡が揺れたぞ....................さすがはサンシャインの権化なのか。





「もう!何かよく分からない話を!ずーっと!!ずーーっと!!ずーーーっと!!!!!隠してないでちゃんと話しなさい!!!!!!」
「千歌には関係ないで『あるよ!!!』
「いや.......ですが...........」
「『いやですが』じゃねぇよ!」
「「「!?」」」





この学校で1番頭の切れる男子生徒第一号がツッコミを喰らわせたことに結構な人数が驚愕している。そして教室入り口では『ようよしりこまるびぃ』と虎太郎が神妙な面持ちでこちらを見ているが、そんなことは関係がない。





「お前ら...............本当に3年生だよな?」
「才..................?」
「この状況は何だ!?!?今日復帰した休学生が理事長に駄々を捏ねられているところを子供みたいに縮こまってちょこちょこ口やり挟む生徒会長の絵面を見せられる天才ゲーマーの気持ちを考えたことあるか!?!?!?!?」
「自分で天才って言うのも結構だと思うんだけど....................」
「少なくともお前ら3人の100兆倍は天才だ!!!!!!!」
「はぁ.....................」
「ダイヤさんも、鞠莉さんも、放課後全員揃って部室に来てください。」
「いやでも................」
「い・い・で・す・ね!?」
「「「はい.................」」」
「2人ともすごい............!」
「3年生に向かって................!」
「いやもうこの3人の『3年生の威厳』が俺の中じゃ絶望的になったからな...............?」






————————————————










「だから!東京のイベントで歌えなくって!!!」
「それの話はダイヤさんから聞いたよ。それで諦めるような果南ちゃんじゃないでしょ?」





ダイヤから聞いたと打ち明けられた果南はその本人を睨む。それに気づいたのか、ダイヤもまた硬い表情でそっぽを向く———————————3年生にもなって子供の喧嘩かよ...............





「そうそう!チカっちの言う通りよ!!だから何度も言ってるのに!」
「そうやって煽るなよ...............」
「何か事情があるんだよね?———————ねっ?」
「————————そんな物ないよ。さっき言った通り私が歌えなかっただけ。」
「あーっ!!!!イライラする〜!!!!!!!!」
「その気持ちよーくわかるよ!!!!ホント腹立つよね!!!コイツ!!!」
「勝手に鞠莉たちがイライラしているだけでしょ!?」





強気な果南ではあるが、実は結構その意見は的を得ている。実際に千歌も鞠莉も強硬姿勢に出てその真意を言うかと思ったら強気にこられてイライラしている———————————日常的な会話に置き換えれば、そういうことになる。


おそらく稜の言う『果南達に起きたこと』というのは十中八九、この東京でのイベントでの出来事だろう———————が、それ以外というのは俺たちで探さなきゃいけない。それを探すためにここに引き寄せたのだ。





「果南、稜はお前らのスクールアイドルを支えていたんだよな?」
「まぁね。」
「稜はお前らに起こった事は頑なに口に出さなかった—————————アイツは鞠莉が果南やダイヤを想うように、お前らの気持ちを尊重して俺たちに話さなかったんだと思う。その苦しみはお前らにしかわからないからな。でも——————————俺はその真相が知りたい。」
「———————そんな真相はない。私が言ったことが真実だよ。」
「でもこの前弁天島で踊っていたような........................」
「うっ.......................」
「おー!赤くなってる〜!!」
「う、うるさい!」
「やっぱり未練あるんでしょ〜?」





ルビィ————————小動物みたいな見た目して意外に鋭いな.....................


その事実の突きつけは強気な果南に効果抜群だったようで、果南の顔が見る見るうちにりんご飴のように赤くなる。鞠莉はそれ漬け込んでいるようだが........................


—————————昔から変わらないな。この松浦果南という女性は。






ガサッ!








「うるさい!未練なんてない!!とにかく私はもう嫌になったの!!——————————スクールアイドルは.....................絶対にやらない!!!」











果南は去ってしまった。強硬姿勢は崩しこそしなかったが、反撃の余地はまだまだあるように思える。だがそのためには—————————


梨子は俺に対してアイコンタクトを図ってくる。俺はそれを受け取って...................完成した残り3本の仮面ライダードライブ・鎧武・ウィザードのガシャットを手元に出す。





「全く.................」
「————————ダイヤさん、何か知ってますよね?」
「梨子ちゃん?」
「えぇ?私は何も————————」
「じゃあどうしてさっきは果南さんの肩を持ったんですか?」
「それは————————ッ!!」
「逃げた!!」
「新しいガシャット———————これだ!!」





≪マジックザウィザード!≫





ウィザード————————このライダーは魔法使いライダー。故に今俺たちがいる部室の扉を開けられなくする魔法を使うことなど容易にできる。





「善子ちゃん!」
「ギラン!」





善子は逃げようとしたが扉が開かずに詰んでしまっているダイヤに対して堕天使奥義を発動。その名も————————!





「堕天奥義!!堕天龍鳳凰縛!!!!!!」
「ピギャァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」



















ダイヤモンドvs堕天使奥義。どちらが勝ったか、字面だけで察することができた...................































 
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