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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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29話 Irregularは突然に







「というわけなんだよ———————どう考えても普通じゃないよね?」
「あらすじ紹介のノリをこちらに持ってくるな—————————てか普通怪獣ちかちーのお前とは頭脳も力も格段に違うからな。」
「今その話はいいの!!問題は突然ゲリラライブとか言い始めたことだよ!!」
「え〜おっかしいなぁ.................もうその未来は俺の手の中にあると思ったんだけどな..........」
「いやないよ!!勝手に自分の考えてた無謀な考えを押し付けないでよ!!」
「でもやったほうがAqoursの宣伝になるし、それにスクールアイドルへの偏見と誤解を解くためにも必要なことだ。」
「でも何かと危険じゃない?その小原兆一郎さんとかも来そうだし...........」
「その点は俺たちが守ってやる。安心しろ。」
「でも時間が............」
「大丈夫だ!!俺はムテキの力で幾らでも起きてられるから、その作業くらいパパッと終わらせてやる!あとは作詞さえできればあとは安泰だ!」
「そうだけど..............」
「でも才くんの意見にも一理ありますよね。ルビィは賛成です!」
「そうだね〜衣装も才君に開発してもらったアイテムがあれば結構捗るから完成できると思う!!」
「おっ!さすがは衣装組〜!さすが曜は何でも卒なくこなすから有能だ!」
「何だろう.............物凄く上から言われてる気がするんだけど..............」





因みに衣装組に開発したアイテムというのは『プロトタイプ製造機』である。その名の通り舞台設定や演出に合わせた衣装のプロトタイプを製造してくれるという物。これには曜やルビィの好みについてもラーニングさせてある。だからこそスムーズにできるのであるが、やはり最後には曜とルビィの一手間がとんでもなく重要視される。





「その方向で物事を進めたほうがいいんじゃない?結局誤解を解くとかはやらなきゃいけないことだし。」
「それもそうだよね............よし!じゃあ私たちもがんばルビィするから千歌ちゃん達もふんばルビィして!!」
「もー!!!結局才くんの思惑通りじゃん....................」





曜のがんばルビィ使用率が異様に高いことはさておいて、一夜を通してようやく千歌から承認の言葉を引き出した。無論最初は反対派が多かったのだが、何とか説得———————いや、そもそも有意義さについては彼女らが1番わかっていたのかもしれない。





「ところでさ。今日、何でこんな日が完全に登りきってないこの時間帯から部室に来たか知ってるよな?」
「————————あっ!!忘れてた!!お弁当!!」
「いやそうじゃないだろ!!今日は果南の偵察に行くんだろ!?」
「あーそうでもあったな...............」
「毎朝淡島から弁天島まで走ってるよね。」
「毎朝!?体力オバケなんじゃない!?」
「実際身体能力も小さい時から男の俺とタメ張るし———————持久力に関しては負けてる部分も多いんじゃないかな。」
「「............................」」
「何だよ、2人して俺をそんな目で見るなよ。」
「ちょーっとそれは逆サバしてるんじゃないの?」
「逆サバ?」
「負けてるって言ったけど、実際対して変わらなかったけど?」
「そうだよ、謙遜なんてしちゃってさ!!」
「わかったわかった。」





この幼馴染2人は俺の真意が少しばかり分かるようだ。人間の謙遜には2種類あると言われる。1つは本気でそう思っていること。もう1つは心の裏では自分の方が優っていると思っているという2択になるのが多いのではないだろうか?


普通の人ならその謙遜を後者には絶対に捉えはしないのだが、この幼馴染達には俺のナルシストさをわかっているがための判断だろう。





「そろそろ時間だろ?行くぞ。」
「ちょっと待って、皆行くつもりなの!?」
「え?そうなのか?」
「みんな行くつもりだったんだけど............」
「いやそんな多人数で行ったら見つけてくれって言ってるもんだぞ!!だから寝てる竜介先生も起こして来なかったのに................」
「でも〜!!」
「しょうがないな……」






—————※—————






「結局全員来ちまったじゃねぇか...................」
「しょうがないでしょ?全員話を聞かないもんだから——————」
「ったく............」





現状の体裁をどう打開しようか考えている途中で、果南が連絡船を降りてウォーミングアップに運動をしている。ここまでは予定通り。


予定というのも祝にその傾向について3日間ほど調べてもらった結果なのである—————————おいおい、そんな人使いが荒い野郎だみたいな顔するなよ................





「あっ、走り出した。」
「追うぞ。」
「ふわぁ............眠いずら。」
「そういやまだ6時になってないもんな。」
「大丈夫だ!!走れば目も覚めるだろ!」





ここから俺たちもストークし始める。かと言って、距離を近くしては見つかってしまうので10m程度の距離を保ちながら、後を追っていく。



走り始めて数分後に太陽がようやく内浦を照らし始める。紛い物の光がやがて、本当の光へと姿を変えたのだ。太陽は象徴的存在だ——————————この内浦(善意)の象徴であり、Aqours(俺たち)の象徴でもある。


そんなことを言えば、月や星が悪意の象徴かと問われればそうではない。星はともかく月の輝きは太陽の輝きに由来する。勝手な理論ではあるが、どちらを崇めようとも元を辿れば『輝き(サンシャイン)』に行き着くのだ。





「毎朝こんな時間から走ってるんですね。」
「ダイビングショップの経営とか朝早くからしなきゃいけないことが沢山あるから小さい時から早起きには慣れてるのかもな。」
「それにしても............早いね〜!!!..............」
「一体どこまで走るつもり............................!?!?」





果南は悠々と走る走る。その後を追う俺はムテキの影響なのか、疲労はほとんど感じなかった。だが他の7人はそうではない。


辛うじて身体能力の高い虎太郎や曜は俺について来れていたが、後の5人はかなり息が上がっている。特に花丸に関しては元々運動が苦手ということもあってか、疲労困憊この上ないといったところであろうか。その少し前には善子、梨子が続いている。やはりこの2人もインドア派であるが故に以前よりは確実に基礎体力は飛躍的に向上しているだろうが、やはりこの距離はキツいだろう。


結局のところ何が言いたいのか?果南の持久力がそれほどまでに普通の次元を超越しているということの証明である。




信号が赤になっているのをいいことに果南はその場で足踏みを始める。赤信号になったのだから、少しくらい休めばいいものを—————————


青信号になった途端に元のスピードが蘇り、それは伊豆・三津シーパラダイス前を通過してトンネルに入る。トンネル内からは梅雨後期の晴れた日にありがちなモワッとした生暖かい空気が気色悪い感覚を誘わせる。


ここで新事実。最近祝に教えられたのだが、この三津シーパラダイスの運営会社はとあるバス会社でありそこの祖父会社の株主は何を隠そう伊口ファウンデーションであるらしい。一方の淡島マリンパークはあの『オハラエンタープライズ』が運営しているそうだ。


祝が言うには、伊口ファウンデーションの規模は非営利団体ではあるがオハラエンタープライズを凌ぎ、その気になれば日本政府はもちろんのことオハラには出来ないであろうアメリカをはじめとする他の政府すらも動かせるだろう。


これにはサウザーも悔しがっているのだろう。さすがはオーマジオウ—————



語っていれば、いつの間にかその場所は過ぎこんでいてトンネルを越え、長浜城跡を過ぎたところまで来ていた。





「もうだいぶ走ってきてるよね?」
「ああ..........多分弁天島で折り返しだろ..............」
「弁天島!?」
「マル................もう無理ずら.................」
「花丸ちゃん!?」
「大丈夫か?———————大丈夫じゃなさそうだな。」
「こんなの無茶すぎるよ〜!!!」
「お前らがついてくるって言ったんだろうが!!!」
「でも.............果南ちゃん気持ち良さそうだね。」
「そうね..............................」





確かに潮風が程よく吹いている今日この頃はランニング日和なのかもしれない。



ようやく弁天島に到達する。1年生、(俺を除く) 2年生の順番でダウンしていく。1年生3人は鳥居前で息切れを、2年生3人と虎太郎は階段の途中でその腰を曲げる。





「まだ頂上じゃ———————ん?」


















ザッ———————!















筆舌に尽くしがたい輝かしさ—————————その真髄に達しているのは間違いないほどのステップの踏み方だ。このステップには不謹慎ではあるが、スクールアイドルをやっていたことに確信を持たせた。


それには俺と共に木影に隠れていた千歌にもインスピレーションを与えていた。





「綺麗..........................!」
「ああ、予想以上の熟練度だな——————————ん?」





パチパチと拍手を送るのは、何を隠そう小原鞠莉——————————彼女である。それを気配だけで察知したのか、背中を見せたままさっきの輝かしい表情とは一転、ムスッとした表情へと変えていく。





「復学届、提出したのね。」
「まぁね。」
「やっと逃げるのを諦めた?」





『逃げる』という単語を聞いた途端に果南の眉が微動するのが感じ取れた。その言葉に揶揄されるのが嫌なのか、それとも................





「勘違いしないで。休学してたのはお父さんの怪我が原因。それに復学してもスクールアイドルはやらない。」
「私の知ってる果南はどんな失敗をしても笑顔で次に進んで、成功するまで諦めなかった!」
「————————卒業まであと1年もないんだよ?」
「それだけ有れば十分よ!何より——————今は後輩もいる。それを《《護る》》のも支えてくれるのも1人じゃない。」
「「「「「「「「っ!———————」」」」」」」」





鞠莉が間接的に俺たちのことを示唆したことに一瞬雑木林が揺れ蠢く。





「だったら、千歌たちに任せればいい!」
「果南................」
「どうして戻ってきたの!?私は.............戻ってきて欲しくなかった!!!」
「果南——————相変わらず果南は頑固『もうやめて!!』ッッ—————!」
「もう...........あなたの顔、見たくないの。」
「そんな———————————!」
『その娘の言う通りだ。』
「え———————?」
「あなたは.........................!」
「黒澤天青!!!」
「才!?——————千歌たちも!!」





弁天島に俺たちとは違う声に反応して、つい反射的に前へと出る。やってきたのは黒澤家 現当主である黒澤天青である。偶然こんな場所にやってきたのか.................?




「ダイヤのお父さん?」
「いかにも。」
「お前————————こんな時間帯に悠々と散歩とは随分優雅だな?」
「お前たちに言われる筋合いはない。それより——————」
「「「「「「「———————?」」」」」」」
「小原よ。お前たちはやはりこの内浦を脅かす危険な存在だ!今すぐ出て行け!!さもなくば———————!」
『それは聞き捨てならないな.................!』
「サウザー!!」
「巾着袋引き連れて来おって.................!」





サウザーの後には護衛かのように厳つい男3人ほどがレイドライザーを巻きつけてこの狭い弁天島にやってくる。





「鞠莉が出て行けば............内浦の開発を進めないとでも思ったのか?」
「何だと?」
「寧ろ鞠莉がこの内浦から出ていくのは私も善策だと思っているが.................どの道、内浦及び日本は私の所有物となる——————!」
「パパ!何を言っ『小原よ。お前らは滅亡する——————!今ここで私が滅ぼしてやる。』」
「調子に乗るな..............!黒澤含め君たちを廃棄処分にする——————!」
「———————俺はお前らを認めない。内浦の支配に固執してこの町の本当の良さに気づかないお前らを...........絶対に認めない!!」





途中から乱入してきたサウザーがサウザンドライバーを取り出すのに、俺は反応して先にマキシマムガシャットを挿し込んだゲーマドライバーを腰に巻きつける。黒澤天青もドライバーを顕現させる。






「虎太郎———————そこの8人と一緒に少し離れてろ。」
「ああ....................」
「サウザー!ソーサラー!お前の運命は...........俺が変える!!」




≪ハイパームテキ! ドッキーング!≫


≪BREAK HORN!≫


≪ シャバドゥビ タッチ ヘンシーン!≫


「「「実装!」」」


「「変身」」


「ハイパー大変身!!!!!!!」




≪パッカーン! ハイパームテキエグゼーイド!!≫



≪ パーフェクトライズ! When the five horns cross, the golden soldier THOUSER is born. ≫


≪チェンジ! ナウ!≫


≪インベイディングホースシュークラブ! ≫




再び黄金(ゴールデンソルジャー)たちが一堂に会する。Aqours、オハラ、黒澤。その内浦を巡って対立する3派閥のリーダー格が今激突する...............!









〜〜〜〜〜〜





≪ステージセレクト!≫



キメワザスロットのボタンを押すことで、弁天島からゲームエリアへと10数人が転送される。

場所は工事現場のようなところである。ここなら思う存分戦える——————!




「いくぜ!!」
「お前に構っている時間はないのでな.............」
「——————その点は同感だ。」




サウザーはガシャコンバグヴァイザーで仮面ライダーのデータを2体召喚する。それは———————仮面ライダーケタロスと仮面ライダーヘクラス。






「君はこの2人とバトルレイダーとでも戦っていたまえ。」





現れてから即座に2人が襲いかかってくる。





ケタロスのクナイガンのクナイモードによる斬り付けを胸で受け止めて反撃のクリーンパンチ。

続いてヘクラスのアックスモードによる一撃をグローブで受け止めて、前蹴りを喰らわす。続いて両側からの攻撃をスイスイと交わして動作がオーバーになったケタロスを軽く後頭部をその姿を視認せずに殴る。


再び振り下ろされる戦斧を払うついでにその胸を殴る。

続いて払われて宙に滞空していたその戦斧をキャッチしてケタロスを逆に切り裂いていく。


懲りずに掛かってくるケタロスのクナイを持った腕を掴んで引っ張る。そのまま顔面にジャブを喰らわせ、その隙を狙っての飛び掛かり攻撃を仕掛けたヘクラスをミドルキックで吹き飛ばす。

そしてジョブでダウンしていたケタロスをその顔を蹴り飛ばす。


≪クロックアップ!≫


クロックアップを作動させる2人————————確かにここまでパワーを見せつけられれば、その判断は当然だろう...................が。



俺に攻撃しようとしていた2人の腕を捉える。そのまま顔面の角を掴んで頭同士をぶつける———————————確かにクロックアップはカブトライダーの特権かもしれないが、俺にはそのような困難に打ち勝つ力がムテキゲーマーには備わっている。

ゴーストのムゲン魂の進化能力にスペック上乗せ、適応能力などなど。

俺はすでにクロックアップの異世界への進入とも揶揄されるその力と同等以上だ!!


その証拠に2人のスピードを上回る神速で2人のスイッチを押してクロックアップをオーバーさせる。そして先ほどからソーサラーの邪魔をしていたバトルレイダーを吹き飛ばす。


ノックバックで2人をサウザーvsソーサラーのところまで送り届ける。





「クロックアップを完全に攻略するとは............」
「ただ倒すだけじゃ物足りないなぁ〜それにあっちに参加したいし................こっちも秘策を出させてもらうぜ!!」
「それは——————バグヴァイザー!?」
「ああ、バグヴァイザーII(ツヴァイ)だ!!」




ようやく完成した傑作品————————ガシャコンバグヴァイザーII。俺はこれをこの時のために開発したんだ!!




≪カイガンゴースト! ガシャット!≫





ゴーストガシャットをバグヴァイザーIIにセットしてピクセルを放出する。そのデータこそ————————仮面ライダーゴースト ムゲン魂





「何だと—————!?」
「君もライダーを召喚できるとは..................!」
「さて...........まだまだ!!」





≪仮面ライダービルド! フルボトルバスター!≫





ビルドガシャットを起動して武器セレクトでフルボトルバスターを選択する。もちろん俺が作ったフルボトルも組み合わせて使用可能だ。





「さぁ!新たなゲームを始めようぜ!!」
「生意気な——————!」





ヘクラスとケタロスの2人の掃討はムゲン魂に任せて、俺はようやく大将2人の戦いに参戦することができた。


サウザンドジャッカーをフルボトルバスターの刃で受け止める。そのままそれを90度折ってバスターキャノンモードにして光弾をサウザーに向けて放つ。それを好機と見て攻撃するソーサラーをキックで押し返す。


すぐさまバスターブレードモードに戻す。刃の自分側に付いているもう一つの持ち手を右手で、残った左手で柄を握らせる。そしてサウザーに向けて強烈な3連撃を刃で与え続ける。続けてソーサラーが放った飛ぶ斬撃を同じく飛ぶ斬撃で相殺する。





≪ブリザード! ナウ!≫





薙刀にその青に輝く指輪をかざして必殺技の構えを俺に見せる。だったらこっちも——————!





≪クジラ!≫





≪フルボトルブレイク!!≫






まずは————————高圧水流の斬撃をソーサラーに向かって放つ。もちろんそれを相殺するかのように冷気の斬撃を放ってくる。冷気と水では水が凍ってしまい、程よく相殺される———————————のが最大の狙いだ。





≪フェニックス! ゴリラ!  ジャストマッチでーす!≫





≪ジャストマッチブレイク!!≫





即座にキャノンへと切り替えてゴリラの剛腕に不死の炎を纏った攻撃が射出される————————その攻撃は見事ソーサラーにGREAT判定を下す。





「よし!!あとは『きゃー!!!!!!!!』———————お前ら!!」





































自我を持っているはずのバトルレイダーがAqoursを襲うまであと数秒.....................



 
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