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夢幻水滸伝

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第二百四十七話 獣の大軍その七

「空船なくして行けません」
「はい、そうですね」
「ですから守りは堅固です」
「空船でないと行けないのですから」
「それが浮島の特徴の一つです」
「その浮島を攻める、そしてです」 
 それだけでなくというのだ、蒲はただその浮島を攻めるだけでなくそこから先のことも考えているのだ。
「他の浮島も行き来する」
「その為にですね」
「空船を建造しますね」
「そうしますね」
「そうします」
 こう官吏達に答えた。
「今より」
「わかりました、ではです」
「空船の建造に入ります」
「そうします」
「これからは」
「お願いします」  
 こう言ってだった。
 蒲は空船の建造も進まさせた、そうしてだった。
 その浮島の傍まで勢力を拡大させた、すると彼は軍を率いてだった。
 その浮島に向かった、だが。
「この空船一隻ですか」
「空を飛ぶ種族の兵達もいますが」
「そうした獣やモンスター達も」
「ですがそうでない兵はです」
「この空船一隻だけですね」
「兵の数はおよそ二百人です」
 船の中にはそれだけの数の兵達がいる、獣やモンスターは三百程だ。
「それに対して浮島の敵軍は一万」
「およそ五十倍です」
「とても敵いません」
「戦にもなりません」
「今はそうです」
 蒲は空船の中で兵の少なさに不安になっている彼等にこう返した。
「あくまで、ですが空船を何往復もさせて」
「そうしてですか」
「軍を浮島に移動させるのですか」
「そうされますか」
「何度も移動させて」
「そうします、そして兵の数が少ない時はです」
 その時はというと。
「決して攻めず僕が守ります」
「そうされますか」
「蒲様ご自身が戦われ」
「そうされますか」
「星の者は一人で一万か十万の兵に匹敵するといいます」
 それだけの力があるというのだ。
「ですから」
「兵の数が少ない時は」
「蒲様が守られますか」
「そうされますか」
「浮島に降下して」 
 そしてというのだ。
「そこに入りますと」
「そうすればですね」
「空船を何往復もさせて」
「浮島に兵を移動させて」
「兵を徐々に増やし」 
 そうしてというのだ。
「およそ一万になったところで、です」
「攻める」
「そうされますか」
「その時に」
「はい、そうしますので」
 そう考えているからだというのだ。
「まずは守ります、そして獣やモンスター達もです」
「移動させるのですね」
「人の将兵と共に」
「そうしていくのですね」
「そうします、降下した場所を確保出来れば」 
 例え二百程の兵であってもというのだ。 
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