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おっちょこちょいのかよちゃん

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218 能力の復活

 
前書き
《前回》
 ラ・ヴォワザンの黒魔術によって生み出された偽物のラ・ヴォワザンと戦うかよ子達。次々と撃破していくのだったが、本物のラ・ヴォワザンと交戦する事になったその時、かよ子、石松、ブー太郎、千右衛門がラ・ヴォワザンが召喚したサタンによって意識が失われてしまい、その上即死の毒を受けてしまう。勝利を確信したラ・ヴォワザンは杖を取ろうとするのだが、大野が草の石を使って妨害。そして毒を受けた筈のかよ子は立ち上がっていた!! 

 
 かよ子は先程即死の毒を受けたにも関わらず立ち上がれていた。
「な、まさか・・・!!」
「立ち上がれたのはたまたまだけど、あの能力(ちから)を使えなくする毒は時間制限があったみたいだね。私の武装の能力(ちから)が使えるようになってたよ」
(しまった、時間切れを起こしていたか・・・!)
 ラ・ヴォワザンは失態をやったと焦った。
「そして杖の所有者達が起きれたのは我が法力の能力(ちから)だ!」
 法印大五郎が数珠を出していた。彼の法力がラ・ヴォワザンの毒からかよ子達を立ち上がらせたのであった。
「・・・な!」

 のり子は辻の勝五郎やお蝶と共にラ・ヴォワザンと対抗する。ラ・ヴォワザンが毒でのり子たちを苦しめようとするも、のり子念力や勝五郎の刀の剣圧から出された地面の粉砕による迎撃で空回りにされる。さらにはお蝶がラ・ヴォワザンの懐に飛び込む。
「お前、私に飛び込んで自滅する気か?」
「だったらどうする?」
「死んでもらうよ!」
「奥方!」
 しかし、お蝶は飛び込むことに恐怖を感じる事はなかった。
「大丈夫だよ。アタシの能力(ちから)を見せてやるさ!」
 お蝶はラ・ヴォワザンに小刀を突き刺す。彼女が懐に隠し持っていた毒の瓶が勝手に動き、開いた。
「あ、ああ」
 ラ・ヴォワザンは自分の毒で苦しむ。
「今だよ!そこのお嬢!」
「う、うん!」
 のり子はキャロラインと融合する。キャロラインが実物の人形となり、更に強大な念力と音波を発射した。ラ・ヴォワザンの身体が崩れて行く。そして崩れた体は木の人形となり、粉々になった。
「偽物だね!」
「お蝶、勝五郎、鳥橋のり子!」
「親分!」
「次郎長!」
「今、此方もラ・ヴォワザンを倒したが人形だった!」
「こっちも人形だったよ」
 お蝶が答えた。
「他の偽物も皆倒したと聞くが、本物は・・・。あれか!」
 次郎長はかよ子がラ・ヴォワザンの前で立ち上がる所を見た。
「よし、援護だ!」
「おう!」
 次郎長達はかよ子の援護に向かう。

 かよ子達が浴びた異能の能力(ちから)を無力化する毒には時間制限があり、再び能力が使用できる状態となっていた。
「おのれ・・・!!だが、一回時間が過ぎたからっていい気になるんじゃないわよ!もう一回やればいいんだからね!」
 ラ・ヴォワザンはまた新しい毒の瓶を出した。
「おおっと!」
 大野が草の石を出して巨木を出した。ラ・ヴォワザンの持っている毒の瓶が枝で叩かれた上に予備の瓶もまた別で出した蔓によって全て奪われた。
「二度と同じ手食うかよ!」
「そうじゃ、そうじゃ、まる子達を殺そうとしおって!許さんぞ!」
 友蔵も吠える(戦えないが)。
「ええい!」
 まる子が炎の石の能力(ちから)で火炎放射した。かよ子もまる子の炎に杖を向け、炎を強化させた。
「終わりだよ、ラ・ヴォワザン!」
「な・・・!!」
 追い詰めたかよ子達は炎撃(えんげき)で止めを狙う。だが、その時、ラ・ヴォワザンへの炎が直前で弾かれた。
「・・・え?」
「おい、別の奴が来てるぜ!」
「ええ!?」
 かよ子達は見上げた。
「ラ・ヴォワザン。よくここまで堪えた」
 二人の人物が現れていた。
「あれは・・・!!」
 かよ子は片方は見覚えがあった。嘗て清水の地で長山を連れ去ろうとした赤軍の男だった。もう片方は・・・。
「あやつはスターリン!!」
 次郎長はその男を知っているようだった。
「貴様は下がっていろ、ラ・ヴォワザン。杖の所有者は私がやる」
「山田かよ子、あやつはあっちの世界でもかなりの強者で主戦力であるぞ!全力を出すのだ!」
 次郎長が警告した。
「うん!私だって負けられないよ。それにあの人とも会った事があるんだ!」
 かよ子はもう一人の男にも警戒する。
「ああ、久しぶりだな」
 赤軍の一人・丸岡修。杖や杯の奪取には失敗しているもの、広島で剣を奪ったり、この世界でも護符の所有者を殆ど追い詰めてもいる危険な男である。
「絶対に追い払う!」

 エカチェリーナがゆりを殺そうとする。
「まずそこの貴女から真っ二つね!」
 ゆりは爪に毒を作り出し、彼女の攻撃を止めようとする。
「無駄よ、私の攻撃にかなうわけないわ」
 ゆりは武装の能力(ちから)で受け止めようとする。だが、素早い物体がエカチェリーナの首を撥ねようとしてエカチェリーナは避けようとした。だが、首を掠られた。政美が加速能力を使い、左手を剣に変化させて高速で接近していたのだった。
「お前・・・!」
「皆、この女に攻撃する隙与えちゃ駄目よ!」
「あいよ!」
 鯉沢が光線を放つ。そしてマリエルが本からライオンとユニコーンを出してエカチェリーナに突進させた。 
「きゃあっ!」
 エカチェリーナは鯉沢とマリエルの攻撃を回避するが今度はゆりの毒の爪が襲う。だが、ゆりの攻撃はエカチェリーナの黒いドレスの脇腹部分を引き裂いただけで仕留めそこねた。
「皆纏めて消すわよ!」
 マリエルはエカチェリーナの行動を先読みする。
「気をつけて!この女、念力で私達の身体を真っ二つにする気よ!」
「させるかってんだよ!」
 政美が怪力能力を使用してエカチェリーナを持ち上げて頭を強打させる。
「う、ぐ・・・」
 エカチェリーナは頭を打った痛みで立ち上がれなかった。
「終わりよ!」
 ゆりがエカチェリーナに拳を突き刺そうとする。

 かよ子は赤軍の男とスターリンという男に恐怖心を感じていた。それでも負ける訳にはいかないと思う。
「死ねえ、貴様ら!」
 スターリンは指先から巨大な鉄の槍を大量に出してかよ子達を狙った。かよ子は武装の能力(ちから)を発動させる。かよ子は鉄の槍に杖を向ける。そして杖は鋼鉄を操れるようになり、巨大な鉄の盾を出して皆を守る。
「俺も迎撃するぜ!」
 大政も槍を出してスターリンを狙う。槍が豪快に爆発した。
「やったか!?」
「ふ・・・、俺もいる事を忘れるなよ」
「・・・な!」
 大政の槍攻撃はあまり意味がなく、かよ子の鉄の盾も消えてしまっていた。丸岡が矛盾術で防御し、盾を消したのだった。
「お前も終わりだよ」
「ではくたばってもらおうか!」
 スターリンは巨大な鉄の斧を出した。かよ子の杖を腕ごと斬り落として奪おうとする。
「さ、させないわ!」
 のり子が人形と合体した状態でスターリンの斧を止めようとする。
「無駄だ!」
 のり子の人形の念力も丸岡の矛盾術で突破されてしまった。
「こうなったら・・・!」
 かよ子は自分の羽根を出し、周りに結界を張る。結界がスターリンの斧を防ぐ。
「これなら大丈夫だよ・・・!」
「馬鹿が!そんなものが通じるか!」
 かよ子の結界があっけなく破られた。
「ど、どうして!?」
「我が鉄にそんな結界など紙切れに過ぎぬわ!」
 そして斧はかよ子の腕を狙う。
「も。もう駄目・・・!?」
 その時、関根が刀を振って風を起こし、斧の軌道を逸らせた。綱五郎や仙右衛門、石松も加勢した。
「このサルども、よくも!」
 スターリンは石松達を睨み、殺害を試みた。斧が石松達を襲う。
「やらせるか!」
 大五郎は法力でスターリンを封じようとした。しかし、何も効果がなかった。
「愚か者!無神論者の私にそんな宗教の小細工など聞くか!」
 かよ子はそこではっとした。
「だから、私の羽根の結界が効かなかったんだね!」
 かよ子は先程の羽根の結界で防御できなかった理由が分かった。羽根の結界は仏教の力が入っている。スターリンには通用しないのだ。だが、それ以外でどうやって彼らを守るか。
「え、ええい!」
 かよ子はもう一度杖から巨大な鉄の楯を出してスターリンの斧を防ごうとした。
「同じ手が通じるか!」
 丸岡の矛盾術で再び楯を消されてしまった。
「ガキ、お前は俺達に杖を渡してもらおうか」
 丸岡はかよ子に認識術を浴びせた。かよ子は催眠のようなものをかけられる。
「う・・・」
 だが、かよ子は武装の能力(ちから)を持っているためにその術は弾かれる。機械があればその心配もなかったがそれを剣奪還班の人間に無効化された今、機械は意味を失くしている。
「なら、こいつはどうだ!?」
 丸岡は別の手を使った。しかし、何も起きない。その間に次郎長や大政、小政、ブー太郎に大野が斧を止めようと試みる。
「またその術は意味なかったみたいだね?」
 かよ子は挑発した。
「そうかな?認識術をかけたのはお前じゃねえよ」
「え?」
 その時、後ろから腕を掴まれた。
「だ、誰!?」
 杖が無理やり手から放される。いつの間にかまた別の男がいた。
「やったな、西川!」
 かよ子の杖が奪われた。
「私の杖が!」 
 

 
後書き
次回は・・・
「鋼鉄の男、スターリン」
 赤軍の丸岡の認識術、そして西川の奇襲で杖を奪われてしまったかよ子。そしてスターリンが出したギロチンがかよ子達の首を斬ろうとする。そんな彼女達に救援するべく、イマヌエルがその場へと援護する。そしてさらなる援軍としてある人物達も遠隔でかよ子達の支援を行う事に・・・!! 
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