夢幻水滸伝
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第二百四十五話 財閥の依頼からその八
「尚更です」
「白様は人を遊びで害することはないですね」
「そして酒池肉林の宴を楽しむことも」
「そうしたこともないですね」
「そうした方でもあられるので」
「拙者は弓を使えて本を読めて美味いものを口に出来て寝られれば」
それでとだ、白は答えた。
「それで、です」
「よいですね」
「贅沢はされないですね」
「これといって」
「普通に暮らせたら」
白はまた話した。
「ええので」
「宮殿も建てられないですね」
「そうしたものも」
「庭を築いたり」
「そうしたこともされないですね」
「興味がないんで、釣りはしますが」
それでもというのだ。
「池も築いてそこで魚を飼ったりもです」
「庭の中で」
「そうした魚は高価だったりもしますが」
「そうした魚もですか」
「買って飼う趣味はありません」
こう官吏に話した。
「拙者は。魚は水槽で」
「そこで、ですか」
「手頃な魚を飼う」
「そうされますか」
「その方がいいと考えています」
こう話した。
「ですからどうも」
「贅沢は、ですか」
「馴染まない」
「それでなのですね」
「一切されないのですね」
「どうも星の人はそうした人が多いですね」
白は自分が見た限りの中から話した。
「贅沢をされない人が。ロシアのエカテリーナさんとインドのタゴールさんは違う様ですが」
「あの方々ですね」
「何でも多くの罪人を酷使して大宮殿を建てられているとか」
「その蓄えた富も没収したうえで」
「そうしてですね」
「お二人は悪人には拙者より遥かに容赦なく」
そうした性格でというのだ。
「かつ権威を見せる為にです」
「そうしたことをされていますね」
「贅沢を権威として見せる」
「そうされていますね」
「そうです、地はです」
起きた世界での彼等のことも話した。
「そうした方々ではないです」
「そうなのですか」
「お二方は冷酷だと評判ですが」
「的には微塵の容赦もしない」
「それぞれ何十万もの敵を生き埋めにされていますが」
「ですが起きた世界では一見近寄り難く」
それでいてというのだ。
「お話しますと温厚な方々です」
「そうなのですね」
「苛烈で無慈悲な統治が評判ですが」
「それでもですね」
「その実はですね」
「はい、素はです」
それはというのだ。
「そうした方々です」
「そうなのですね」
「では統治者としてですか」
「あの様にされていますか」
「そうした方ですか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
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