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夢幻水滸伝

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第二百四十五話 財閥の依頼からその一

                第二百四十五話  財閥の依頼から
 この世界に来た白はすぐに声からこの世界のこととこの世界での自分のことを聞いた、そうしてだった。
 まずは今自分がいる街、寧波の市長のところに行きことの経緯を話した。するとゾンビの四十代の男の彼は白に言った。
「貴方のことはわかりました」
「そうですか」
「そのステータスを見れば」
 彼のそれをというのだ。
「もうです」
「拙者が星の者であると」
「わかります、ではこれよりですね」
「この世界を救う為に働きます」
「寧波からですね」
「是非」
「それはわかりました、ですが」
 ここで市長は白に微妙な顔になって述べた。
「まず依頼したいことがあります」
「依頼とは」
「この寧波を拠点にしている寧波財閥が今困っています」
「財閥ですか」
「そうです、港に今多くのモンスターが出ていて」
 そうしてというのだ。
「湊から船を出せないでいます」
「財閥は海運で多くの利益を得ているのですね」
「まさにそれで財を成しています」
 実際にというのだ。
「ですから船を出せないと」
「困りますね」
「そして街にとってもです」
「財閥の存在が大きいですね」
「無論寧波財閥だけでなくです」 
 市長はさらに話した。
「多くの企業がこの街にはあり」
「街を潤してますか」
「はい、海運以外の産業もです」  
 それ以外もというのだ。
「あります、ですがやはり財閥の一つが苦しいと」
「街にとってマイナスですね」
「そのもたらす利益が大きいので」
 街全体から見てもというのだ。
「私も困っています、街の軍隊や冒険者だけでは」
「モンスターが多過ぎますか」
「そして強過ぎるので」
 その為にというのだ。
「手出し出来ないでいます」
「ほな拙者が」
「湊のモンスター退治をお願いしたいです」
 市長は白に率直に述べた。
「どうか、そしてその後で」
「この街をですか」
「拠点にして欲しいですが」
「つまり拙者の腕を見たいのですね」
「はっきり申し上げて宜しいでしょうか」 
 市長は自分の前に座っている白に申し出た、今二人は向かい合って座っていてそのうえで茶を飲みながら話をしている。
「ここは」
「お願いします」
 これが白の返事だった。
「ここは」
「それでは。その通りです」
 市長は実際に率直に答えた。
「貴方のお力はステータスでわかります」
「星の者であることも」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
「ステータスで見るだけでなくです」
「実際の力もですね」
「この目で見たいのです」
「そういうことですね」
「お願い出来ますか」
「わかりました、拙者も放ってはおけません」 
 白も率直に答えた。 
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