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夢幻水滸伝

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第二百四十四話 上海を手に入れその十三

「ずっと一緒じゃけえ、ダイアモンド婚までじゃ」
「六十年か」
「子供は十六人が目標でな」
「色々考えてるな」
「欲深くしてるけえ」
「そうした欲はあるか」
「自覚してるけえ、しかしほんまに婿殿は見付けんと」 
 碧はこのことは真面目に述べた。
「あかんけえのう」
「探してるんやな」
「そうじゃ、生涯を添い遂げる」
「自分も自分なりに必死やな」
「そのことも自覚してるけえ」
「そやねんな」
「それで婿殿を探しとるんじゃ」
 そうしているというのだ。
「今ものう」
「そやねんな」
「それで施ちゃんにも声をかけたが」
「悪いが自分はな」
「遠慮するんんじゃな」
「そこまで積極的やと引くさかいな」
 その為にというのだ。
「そういうことでな」
「わかったわ」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「自分は嫌いやない」
「友達としてじゃな」
「そや、今回も助けてもらったしな」
 碧のグラスが空いたのを見てワインを入れつつ話した。
「これからもな」
「友達としてじゃな」
「宜しくな、おおきにやったわ」
 上海でのことはというのだ。
「お陰で上海が手に入って」
「治めやすくなったのう」
「裏社会がなくなってな」
 それでというのだ。
「ほんまに」
「それは何よりじゃ、ほなじゃ」
「これでやな」
「飲み終わったらこっちの世界では一時のお別れじゃ」
「再会の時を願ってな」
「今は乾杯じゃけえ」
 ここで実際にだった。
 二人はグラスを打ち合わせた、そして飲むこともスイーツを食べることも楽しむと碧はそれでだった。
 施と笑顔で別れた、彼はその数日後今度は白と会った。白は施に礼儀正しく中国の一礼をした、施も彼に返礼してだった。
 そうしてだ、自ら白に言った。
「これからは仲間やな」
「受け入れて頂きますか」
「そうするって決めたさかいな」 
 白に笑顔で答えた。
「そやさかいな」
「それで、ですか」
「これからはな」
「二人で、ですね」
「やっていこな」
「その言葉嬉しく思います、拙者もです」
 白も笑顔になった、そうして施に話した。
「これまで一人でやってきましたが」
「浙江省を統一したな」
「そこまでは出来ましたが」
「それからはやな」
「どうしたものかと考えていました」
 そうであったとだ、白は施に答えた。席が用意されて彼は施と向かい合って座って話をはじめていた。
「これから」
「その時に自分からか」
「はい、声をかけてもらいまして」
「渡りに舟やったか」
「そうでした」 
 実際にというのだ。 
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