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夢幻水滸伝

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第二百四十四話 上海を手に入れその十

「あのチームだけはあかんのじゃ」
「そうか、まあ自分も巨人は嫌いや」
 施も飲みつつ答えた。
「あのチームはな」
「そうじゃな」
「昔は強くて人気あったらしいな」
「昔はな、今は万年最下位じゃ」
「勝率一割台でチーム防御率七点台打率二割一分エラーシーズン二〇〇のな」
「ダントツの弱さのじゃ」
 そこまでのというのだ。
「最弱チームじゃ」
「ホームラン去年六十本盗塁二十やったな」
「何もかもがあかんけえ」
「それで人気もないな」
「十二球団一じゃ」
 そこまでのというのだ。
「不人気球団じゃ」
「ドームはいつもがらがらやな」
「一塁側はな」
「そんなチームになったな」
「奢る平家は久しからずじゃけえ」
「そやな」
「わらわは平家好きじゃがな」
 今平家を否定する諺を出したがというのだ。
「厳島にもよお参っちょるし」
「広島の神社やな」
「あそこは平家の社じゃった」
「清盛さんもお参りしてるな」
「一族を連れてな」
「それで平家の守り神やったな」
「そうじゃった、そのじゃ」 
 碧は施にさらに話した。
「厳島にも参っちょるし」
「平家は好きなんやな」
「清盛さんもな、平家は一族が最後までまとまって家臣も大事にした」 
 だからこそ斎藤実盛の様な人物もいたのである、平清盛は身分の低い者にも優しい人物だったという。
「そこが源氏と違うけえ」
「源氏はしょっちゅう身内で殺し合ってたな」
「家臣の粛清もしたしのう」
「それで血も絶えたな」
「頼朝さんは大嫌いじゃ」
 碧は本気の顔で述べた。
「そやからじゃ」
「自分もやな」
「今こう言うけえ」
 施のグラスにワインを入れつつ話した、施も碧のグラスにそうした。
「無慈悲で冷酷でじゃ」
「ええ印象ないんやな」
「そうじゃ、まあその家臣の大江広元さんから毛利家が出たが」
「地元の英雄やな」
「毛利元就さんがな」
「毛利家は大江家の流れが」
「そうじゃ、そやから無下に嫌うことも出来んのじゃ」
 こう言うのだった。
「頼朝さんもっと言えば鎌倉幕府はのう」
「広島人もその辺り複雑やな」
「そうじゃ、それで元就さんも厳島はな」
「大事にしたんやな」
「あそこにお参りもしてな」
 そうしてというのだ。
「毛利家の守り神にしてる」
「そやねんな」
「まあ元就さんも悪いことしちょったが」
「謀略の限りを尽くしてたらしいな」
「もうな、城の兵に降れば許すと言ってな」
 そのうえでだったのだ。
「その兵皆殺しとかな」
「それは大概やな」
「悪いのう」
「極悪人やな」
「それも何度かしちょる」
 一度ではなくだ。 
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