夢幻水滸伝
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第二百四十三話 一つの省だけでなくその九
「中国でも第一と言っていい」
「そこまでの勢力やな」
「下手な軍隊や警察よりも強力で」
「上海を裏から操ってるか」
「はい」
そうだというのだ。
「これがです」
「そやねんな、ほな市長に連中の征伐を申し出るか」
施は目を光らせて述べた。
「そうするか」
「そうされますか」
「ああ、助っ人を呼んでな」
「助っ人ですか」
「実は日本に一人おるんや」
施は笑って話した。
「頼りになる星のモンがな」
「日本の星の方は多いですが」
白澤は日本の星の者と聞いてまずはこう述べた。
「どなたでしょうか」
「正確に言うと流浪のモンやな、地下世界の」
「といいますとあの」
「そや、碧ちゃんや」
施はここでだった。
表情を曇らせた、そうして白澤に話した。
「あの娘や」
「国木田碧様ですね」
「まさに一騎当千、戦の場でも無頼の徒相手でもな」
「そして獣やモンスターが相手でもですね」
「戦やと無敗のな」
そうしたというのだ。
「正真正銘の猛者や」
「左様ですね」
「ただな、あの娘はな」
「無類の男好きだそうですね」
「誰でも婿にならんかって声かけてきてな」
そうしてというのだ。
「結婚式とか初夜とかの話をするさかいな」
「初夜までですね」
「可愛いで、顔は」
施はまずはこちらの話をした。
「小柄やけどスタイルもええしな」
「そうなのですね」
「こっちの世界やとホビットでも起きた世界でも小柄でな」
それでというのだ。
「あんな風や、それで性格もはきはきしていて面倒見が良くて親分肌でな」
「いい方ですか」
「そや、しかしな」
それでもというのだ。
「そうしたことを言うのがな」
「困りものなのですね」
「それでキスどころか手をつないだこともな」
「ないのですか」
「そや、それでや」
「そうしたことを言われるのですね」
「ああ、自分も女の子好きやけどな」
施はこのことは否定しなかった。
「それで碧ちゃんの外見も悪ないと思うが」
「今言われた通りに」
「そやけどな」
それでもというのだ。
「肉食も肉食過ぎるわ」
「積極的ということですね」
「そや、中国の女の子もびっくりな位や」
「起きた世界でも気の強い人が多いですか」
「アメリカも有名やが」
「そちらも起きた世界でもですね」
「もう中国の娘もびっくりでな」
そこまでだというのだ、碧は。
「今言った通り婿にならんかでな、挨拶は」
「それで初夜のこともですか」
「言うんや、式のは和式でと言ってな」
そのうえでというのだ。
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