夢幻水滸伝
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第二百四十三話 一つの省だけでなくその八
「大好きや」
「そうなのですね」
「そやから今は嬉しいわ」
その蟹を見つつ話した。
「是非な」
「いただかれますね」
「そうするわ」
「そうですか」
「そうするで」
「わかりました、しかし上海蟹がお好きなら」
それならとだ、白澤は施に述べた。
「是非江蘇省を統一する中で」
「上海もやな」
「はい、あの街もです」
上海蟹の名前が付いたその街もというのだ。
「是非です」
「手に入れるべきやな」
「浙江省にも星の方がおられます」
「白やな」
それが誰か施はすぐに述べた、中国のどの省に誰がいるのか彼はもう把握してそうして情報をさらに収集しているのだ。
「あいつがおるな」
「そうですね」
「あいつも仲間にしたいが」
「それよりも前にですね」
「そや、自分の言う通りにな」
「上海ですね」
「あいつが手に入れる前にな」
是非にというのだ。
「こっちが手に入れような」
「そうされますね」
「もう蘇州は手に入れてる」
上海のすぐ傍にあるこの街はというのだ。
「上海まであと一歩や」
「では」
「すぐに上海にや」
他ならぬその街にというのだ。
「使者を送ってな」
「そうしてですね」
「降ればそれでよしでな」
「そうでないとですね」
「自分が自ら兵を率いてな」
そのうえでというのだ。
「降すわ」
「そうされますか」
「あの街はこの世界の中国でも世界屈指の貿易港や」
「それだけに豊かです」
「この南京よりもな」
「その上海を手に入れますと」
そうすればというのだ。
「我々の勢力は飛躍的に豊かになります」
「あそこの貿易で富が段違いにや」
「これまでと比べて」
「増えるわ」
「それも次から次に生み出してくれます」
「金を産む卵になってくれる」
そうなるというのだ。
「そやからな」
「では」
「すぐにな」
「上海にですね」
「使者を送る、ただあの街はな」
「はい、内部が複雑です」
白澤は施にこのことを話した。
「市長そして行政機関は存在していますが」
「貿易都市そして大都市だけあってか」
「様々な勢力が存在しており」
その中にというのだ。
「商人、経営者にギルドつまり組合ですね」
「色々あるんやな」
「そして民衆もそれぞれの地区で力を持っており」
「街の中で群雄割拠やな」
「そこに裏の世界も存在します」
「そうなってるか」
「この裏、黒社会が難物で」
白澤は八宝菜を食べる主にさらに話した。
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