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夢幻水滸伝

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第二百四十三話 一つの省だけでなくその十

「それでってな」
「その後で、ですね」
「上だの下だの後ろとかな」
「積極的過ぎますね」 
 さしもも白澤も驚きを隠せなかった、見れば目が点になっていてそのうえで口もあんぐりと開いている。
「そこまでいきますと」
「そやな、それでや」
「国木田様はですか」
「強くて頼りになるが」
 それでもというのだ。
「迫られるのはな」
「困りものなのですね」
「痴女っていうかしょびっちやな」
「しょびっちといいますと」
「処女やのにや」
 男と手さえ握ったことがない、それならというのだ。
「それでや」
「そうしたことばかり言われるので」
「そういう娘をや」
「しょびっちと言いますか」
「そや、自分は積極的過ぎるのはあかん」
「自分からぐいぐいと迫って来るのは」
「抵抗がある」
 どうしてもというのだ。
「世の中それがええって人もおるかも知れんが」
「ご主人様としてはですね」
「あかんわ」
「そうなのですね」
「そやからな」
 それでというのだ。
「碧ちゃんに来てもらうことは個人的にはな」
「どうか、ですね」
「そや、しかし上海は絶対に欲しい」
 彼はあらためて言った。
「今の段階からな」
「あの街がもたらす富があれば」
「覇権に大きくつながるからな」
「その富が重要な資金となり」
「そしてですね」
「予算の重要な財源になってや」
 勢力のそれにというのだ。
「それでや」
「産業を育成出来て」
「軍も充実させられる」
「そうしたことを考えますと」
「ほんまにな」 
 今の段階でというのだ。
「上海は欲しい」
「そうなのですね」
「そやからな」 
「ここで、ですね」
「上海を手に入れる、その為にな」
「あの街でかなりの力を持つ裏社会を成敗し」
「表の世界の利益にしてな」
 裏社会が手にしているそれを表の世界に渡すというのだ。
「裏社会即ち犯罪者の世界を掃討してや」
「犯罪もなくしますね」
「裏社会は認められん」
 施は統治をする者として断言した。
「若し許すとや」
「犯罪者がのさばります」
「そうなります」
「それは放置出来ません」
「何があっても」
「そやからな」
 官吏達にも述べた。
「犯罪者の一掃の為にはな」
「国木田様をお呼びしますね」
「そうされますね」
「この度は」
「そうするわ、そして碧ちゃんが来る前にや」
 施はさらに話した。 
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