夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百四十二話 南京に出てその五
「だからですね」
「そや、長江流域のな」
「一大経済圏そして穀倉地帯をですね」
「手に入れてな」
「広東の方もですね」
「それに四川もな」
「どの省も豊かなので」
施に対してさらに問うた。
「まずはですね」
「中国の南を統一するで」
「そうしてですね」
「その国力からな」
「この世界の統一を進めますね」
「そや、そして南を掌握して」
施は白澤に強い声で話した。
「淮水を渡ってや」
「北にも進みますか」
「そうしたい、南を統一した後でな」
「中国の統一ですか」
「それもしたい、南の国力があれば」
豊かなそれがというのだ。
「北も掌握出来るな」
「そうですね、では」
「これから故宮に入ってな」
「旗揚げをされますか」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「動きはじめるで」
「早速ですね」
「そや、ただな」
「ただ、とは」
「この世界の中国の技術は産業革命を達成して結構経ってるな」
施はここで技術の話をした。
「そうやな」
「はい、石炭を主に燃料に用いています」
市長は施の今の言葉にも答えた。
「そして機械もです」
「よお使ってるな」
「そうしています」
「そやな、それと辮髪もしてへんな」
「それは北の遊牧民の風習で」
市長はそちらのことにも答えた。
「我々はです」
「してへんな」
「その辮髪も種族によっては髪の毛がなかったりするので」
「してへん場合があるか」
「はい、また髪の毛があっても今は」
「辮髪してへんモンもおるか」
「遊牧民でも」
その彼等でもというのだ。
「最近はです」
「してへんか」
「そうです」
「そやねんな、中国の南が穀倉地帯があって豊かなんは起きた世界と同じやが」
それでもというのだった。
「産業革命と辮髪はな」
「施様が起きられた世界ではですか」
「ちゃうな、自分の世界で言うと十九世紀末の欧州位の技術レベルやな」
施は自分が大体見たところを述べた。
「それで服や文化は清代や」
「どうもその辺りのことは」
「ああ、こっちの話やからな」
わからないという市長に述べた。
「そやからな」
「それで、ですか」
「気にせんでええわ」
「そうなのですね」
「それもわかった、技術が高いんやええことや」
「それは事実ですね」
「産業にも活かせるしな」
それ故にというのだ。
ページ上へ戻る