夢幻水滸伝
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第二百四十二話 南京に出てその四
「具体的に」
「どうも考えがまとまらんしな、何をしてええかもわからんで」
施も話した。
「まずここに来たんや」
「この南京を拠点として旗揚げする」
「そううっすらと考えてるけどな」
それでもというのだ。
「あまりな」
「具体的にはですか」
「考えがまとまってへん、それでな」
「こちらに来られたのですね」
「それで話をしてな」
相談をしてというのだ。
「決めたいんや」
「左様ですか」
「そや、それでこれからどうすべきか」
「今施様が言われましたね」
市長は彼自身に確かな声で答えた。
「この南京を拠点として旗揚げをされると」
「そのことか」
「丁度今故宮の主がいません」
南京の宮殿であるそこがというのだ。
「ですからそこに入られ」
「そうしてか」
「旗揚げをされてはどうでしょうか」
施に厳かな声で提案した。
「これからは」
「そうすべきか」
「はい、やはりこの世界を救うにはです」
「自分一人の力では無理や」
施は確かな声で返した。
「到底な」
「それでは」
「まずは中国を統一してや」
自分のその考えを市長に話した。
「そしてや」
「そのうえで世界もですね」
「統一して一つにした星のモン全員と世界の力でな」
「危機に対されますか」
「そうする、流石に星のモンでも一人やと限度がある」
「しかし多くの方が揃っていますと」
「それだけ強い」
即ち力が備わるというのだ。
「そやからな」
「それで、ですか」
「そや、この世界を統一する」
「その最初の段階で、ですね」
「中国をそうするんや」
「この南京からですね」
「それでまずはこの世界の中国のことを聞きたい」
市長にこうも言った。
「色々資料渡してくれるか」
「はい、それでは」
市長もそれではと応えた。
「そうさせて頂きます」
「ほなな」
「今からこの世界そして中国について書かれた書等を持って来ます」
「地理や経済や産業の本も持って来てくれるか」
「そうさせて頂きます」
市長も頷いてだった。
多くの書を持って来た、施はすぐにその書達を読んだ。暫くの間はそちらに専念したが読み終わってだった。
施は市長と白澤に笑顔でこう話した。
「まずはこの南京で旗揚げや」
「では故宮に入って頂けますか」
「そしてな」
そのうえでとだ、施はさらに話した。
「長江流域、また四川省も広東省もな」
「そちらもですか」
「掌握する、淮水以南の中国を掌握したい」
「その産業が充実しているからですね」
白澤は施が何故中国の南の統一を目指すか察して彼に問うた。
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