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夢幻水滸伝

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第二百四十二話 南京に出てその二

「かなりの」
「そう言って頂けると冥利に尽きます」
「そうなんか」
「私はご主人の神具なのですから」
 白澤も笑った、そのうえで施に言葉を返した。
「神具はご主人の絶対の所有物なので」
「忠誠心もあるか」
「そちらも絶対に」
「そやから褒められるとか」
「嬉しい限りです」
 そうだというのだ。
「まことに」
「そうなんやな」
「これからも何かあればです」
「相談してええか」
「是非。あとお乗り下さい」
 白澤はこうも言った。
「そもそも私はです」
「自分が乗る為のもんか」
「その為の神具で空も飛べます」
「空もかいな」
「ご主人も術で飛べますが」
 それでもというのだ。
「私に乗った方がです」
「速く進めるか」
「それも遥かに」
 舞空の術で飛ぶよりもというのだ。
「出来ますので」
「それでやな」
「是非です」
「自分の背に乗ってか」
「進まれて下さい」
「ほなな」
「今からでも」 
 白澤は自分から申し出た。
「そうされて下さい」
「そこまで言ってくれるか」
「また申し上げますが私はご主人の神具なので」
「それでやな」
「どうぞ」
「わかった、ほなな」
 施も頷きそうしてだった。
 白澤の背に乗った、そのうえで南京の市庁舎に赴いた、すると門番の兵達は彼を見て仰天して叫んだ。
「なっ、何だこのステータス」
「凄い人が来たな」
「まさかと思うが」
「この人は」
「星のモンや」
 施は明るく笑って話した。
「施子義や、知ってるか」
「お名前までは存じませんが」
「そのステータスとスキルはわかります」
「これだけの能力は他の者にはありません」
「それこそ神霊の域です」
「星の方は神のお力をお持ちです」
「そうですから」
 門番の兵達はオークとコボルトだ、装備は鉄のものでわりかしいいと言える、その彼等が施に威圧される感じで答えた。
「もうわかります」
「これがレベル四十位ならわかりますが」
「レベル四十でもこの世界でも滅多にいませんが」
「それが二百を優に超えているのです」
「それではです」
「間違える筈がありません」
「自分が星のモンやってやな」
 施は兵達に微笑んで応えた。
「確信出来るんやな」
「左様です」
「まさにその通りです」
「星の方がここに来られるとは思いませんでした」
「一体何用でしょうか」
「あの、無体はされないですね」
「そうしたことは」
 兵達は怯えさえしていた、そのうえで施に問うた。 
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