夢幻水滸伝
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第二百四十二話 南京に出てその一
第二百四十二話 南京に出て
施子義は目を開くとそこは彼が知る中国でも彼が今いる神戸でもない場所に出ていた、そこが何処から声から聞いてだった。
この世界での自分のことも聞いて理解した、そのうえでまずは何をすべきかと一人考えはじめたが。
ここで目の前に神具の一つ白澤が出て来て彼に言ってきた。
「ご主人、こうした時にこそです」
「自分がおるんや」
「はい、何なりとご相談下さい」
こう彼に言うのだった。
「そうして下さい」
「そうしてええか」
「私は神具であると共にです」
施のそれであると共にというのだ。
「ご主人の相談相手にもなりますので」
「それでか」
「是非お話して下さい」
「そうしてええか」
「そうして頂ければ私も嬉しい限りです」
「わかった、ほなこれからどうすべきかな」
施は白澤の言葉を受けて彼に言った。
「話したいが」
「そうですね、今我々は南京にいます」
「この世界のな」
「この街は非常にまとまっています」
「みたいやな」
施はここで周りを見た、するとだった。
街を行き来する者の顔は穏やかで商売はにぎわっている、そして活気に満ちていて明るい感じだった。
「政がええみたいやな」
「市長はしっかりした人で治安もです」
「ええか」
「ですから市長のところに行き」
そうしてというのだ。
「そのうえでご主人のことをお話すれば」
「力になってくれるか」
「必ず、ですから」
「今からか」
「市長のところに行くべきです」
絶対にというのだ。
「そうしましょう」
「ほなな、しかしな」
施は白澤と共に歩きはじめていた、彼を左横に置いて彼に顔を向けてそのうえで会話をしているのだ。
「自分が星のモンやとな」
「市長に話してもですか」
「信じてくれるか」
「信じますよ」
白澤の返答はあっさりしたものだった。
「即座に」
「そうなんか」
「そのレベルとステータス、スキルを見れば」
それでというのだ。
「一目瞭然です」
「そうなんか」
「そしてです」
白澤はさらに話した。
「私もそうですがご主人は神具を持っておられます」
「自分と落日弓、如意棒、混元綾やな」
「それでわかります」
「そうなんやな」
「ですから」
それが為にというのだ。
「市長にも他の誰にもです」
「自分が星のモンってわかるか」
「そうなります」
「それは何よりやな、ほなな」
「今からですね」
「自分のアドバイス通りにな」
まさにその通りにというのだ。
「市長のとこに行くで」
「そうして頂けますね」
「是非な、しかしな」
「しかし?」
「いや、自分は知恵者やな」
白澤に笑って話した。
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