夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百四十話 退治し迎え入れその十五
「そこはでし」
「そうなってるな」
「そうでし」
まさにというのだ。
「同じか近い種族でないとでし」
「思わんな」
「そうでし」
「そうしたこともあり」
巴はまた言った。
「こちらの世界やとです」
「尚更やな」
「楊貴妃がいましても」
「絶世の美女かどうかはな」
「わかりません」
「そやねんな」
「こちらの世界では。あと私は楊貴妃の様な女性は嫌いではありません」
巴は笑って自分の好みも話した。
「不倫やないとです」
「お付き合いしたいか」
「不倫はその後で何かありますので」
「碌でもないことがな」
「訴えられるか刺されるか」
「そうでなくとも評判落ちるな」
「相当に」
そうなるというのだ。
「そうですさかい」
「不倫はせんか」
「絶対に」
何があってもというのだ。
「しません、事実玄宗もです」
「ああした結末やったな」
「その後の玄宗は空虚だったとか」
そうした人生だったというのだ。
「退位し皇帝でもなくなり」
「権限も覇気もなくやな」
「皇帝の威厳もです」
それもというのだ。
「なくなり」
「まさに何もなくなったな」
「空虚な存在になりました」
それが楊貴妃とのロマンスの後の玄宗だったというのだ、ただ生きていて何もすることはなかったという。
「それを見ますと」
「不倫は報いがあるな」
「確実に」
「それでやな」
「私は不倫はしません」
「ほな愛人さんもやな」
「持ちません」
絶対にというのだ、こちらの存在も。
「ですから相手が複数だのです」
「そうしたことをしたらやな」
「後々禍になります」
「それが降りかかってくるな」
「はい」
そうなるというのだ。
「再び」
「本当に不倫の結末は碌なものでないでしね」
郁も言った。
「まことにでし」
「そうですね」
「はい、僕の知り合いのおじさんが若い娘と、で」
「どうなりましたか?」
「奥さんに袋叩きにされてでし」
「文字通りにですね」
「それから離婚でし」
それに至ったというのだ。
「そして慰謝料でし」
「まさにフルコンボですね」
「それで誰も庇わないで」
離婚までというのだ。
ページ上へ戻る