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夢幻水滸伝

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第二百四十話 退治し迎え入れその十四

「ほんまに」
「はい、そしてその宝塚でもです」
「ロマンスは悲しいな」
「楊貴妃も上演されていましたし
「そやったか」
「尚そこでは安禄山も出ていますが」
 このロマンスを終らせる叛乱を起こした人物である。
「宝塚ですので」
「美形やな」
「太ってません」
 歴史上それで有名であったがだ。
「そうなってます」
「そやねんな」
「そして悲劇よりもです」
「ハッピーエンドやな」
「私もそちらがええです」
「ほな何て言うべきか」
 呉はその桂花陳酒を飲みつつ思った。
「一体、紅楼夢もあかんとなると」
「まあ素直に漢詩のそうしたものをです」
「思ったらええか」
「そうかと。李白も楊貴妃以外を多く詠っていますし」
 ロマンスを詠うにしてもだ、李白はかなりロマンチストな人物であった様でそうした詩も多く残している。
「そうですさかい」
「それでやな」
「そうした作品をです」
「思えばええか」
「紅楼夢も美しいですが」
 そうした作品であることは事実だが、というのだ。
「そやけどです」
「結末は悲しいな」
「源氏物語と同じく」
「そやからやな」
「喜劇の方が」
 箸を動かしつつ話した。
「ええかと」
「楽しいロマンスやな」
「はい、それと楊貴妃ですが」 
 共はこの人物自体の話もした。
「今見て美人かは」
「わからんな」
「そうです」
「唐代の感覚と今の感覚ちゃうしな」
「ふくよかだったとか」
 このことは史実でも書かれていて暑がりだったという。
「それがどうかという人はです」
「好みやないな」
「当時と今では感覚が違っていて」
 そうしてというのだ。
「しかもです」
「その人それぞれの好みがあるさかいな」
「特にこの世界ではです」
「様々な種族があってな」
「種族ごとに好みがあります」
 外見のそれがというのだ。
「それは呉君もですね」
「こっちの世界に来たら人間やエルフの美人さんを見てもな」
 呉は熊の胃の部分を食べつつ話した、その独特の食感と味を楽しんでいる。生姜や醤油での味付けもいいと思っていた。
「それでもな」
「何も思われないですね」
「起きた世界やと思うが」
 それでもというのだ。
「けどな」
「こちらの世界ではですね」
「何も思わん、龍人とかリザードマンとかな」
「そうした自分と同じか近い種族でないと」
「思わんわ」
「それは私もです」
 巴自身もというのだ。
「実は」
「そやねんな」
「そう言うと僕ちんもでし」 
 郁も言ってきた。 
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