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夢幻水滸伝

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第二百三十九話 真の主力での攻撃その七

「そうか、堀り終わったか」
「はい、全ての穴が」
 報告をするリザードマンの士官が答えた。
「そうなりました」
「そうか、ほなな」
「これからですね」
「晴れたしな」
 このこともあってというのだ。
「空船を飛ばせる、そしてや」
「地下道に兵を入れるでしね」 
 郁は強い目で言ってきた。
「そうでしね」
「そうする、三つの攻撃を同時に行えば」
 呉も強い目であった、その目で郁に応えた。
「流石にや」
「一気に攻め落とせるでし」
「そうするで」
「では私達も攻撃に参加しましょう」
 巴はそちらもと言った。
「そうしてです」
「勝とうな」
「そうしましょう」 
 こう言ってだった。
 三人は攻撃を命令し自分達もそれに加わった、巴は空から郁は地下から攻めて呉は内城の正門をだった。
 蛇矛から出した衝撃波で破壊した、そうしてからだった。
 兵を率いて内城に入った、空から飛べる者達が舞い降り地下道から兵達がどんどん内城に入っていた。
 敵兵達も流石に戸惑っていた、呉はその彼等をだった。
 蛇矛を振るい薙ぎ倒していく、だが矛の部分ではなく棒の部分でだった。
 打ってそうして気絶させていた、そのうえで兵達に言った。
「動けん様にすることをな」
「念頭に置いて」
「そうしてですね」
「戦っていくことですね」
「そや、敵兵は思いも寄らぬ急襲に驚いて動きが止まってる」
 実際にそうなっていた。
「空と地下それぞれから来ることは考えていてもな」
「それでもですね」
「両方から一度に攻められるとは考えていませんでしたね」
「流石に」
「しかも同時に正門からも来るとは」
「そや、三方から同時はな」
 この攻撃はというのだ。
「考えてへんかった、それでや」
「戸惑って動けなくなっている」
「それならですね」
「倒すよりもですね」
「動けん様にしてな」
 そのうえでというのだ。
「捕らえてくんや、今はその方が楽や」
「倒すと後で傷の手当をしたり復活させたりしないといけないですからね」
「血を洗い清めたりしないといけないですし」
「こうした場所での戦闘は後が大変です」
「だからですね」
「出来るだけな」
 今はというのだ。
「そうしてくで」
「わかりました」
「ではその様にしていきます」
「動けなくしていきます」
「そうして内城の中を掌握していきます」
 兵達もこう応えた、そうしてだった。
 先に先に進んでいった、敵兵達が我に返るよりも内城の中を掌握し彼等を取り押さえていった。そのうえで。 
 呉は兵達と共に内城の最深部、主の部屋に入った。そこには女オークが赤い服と鎧に身を包んでいたが。
 呉はその女に問うた。
「自分がこの勢力の棟梁やな」
「はい」
 女オークは毅然とした態度で答えた。
「その通りです」
「勝敗は決した、まだ戦うか」
「だからこそ今ここにいます」
「そやな、しかしこっちは勝敗は決したからな」
 蛇矛を手にしたまま答えた。 
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