夢幻水滸伝
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第二百三十九話 真の主力での攻撃その三
「そこを攻めてもな」
「損害が多いです」
巴も言ってきた。
「そやからです」
「ここはですか」
「普通の攻城戦は行わず」
「その様にされますか」
「お三方がそれぞれ門を破壊され」
「そこから城に入るのですね」
「城は入れば終わりでし」
それで攻め落とせるとだ、郁は話した。
「中での戦もあるでしが」
「それでも攻める側が圧倒的に有利になります」
「それは事実です」
「だからですか」
「まずは門を壊しますか」
「そうしてでし」
そのうえでというのだ。
「そこから城に入るでし、いいでしね」
「わかりました」
「それではこの様にしましょう」
「まずは門をお願いします」
「壊して下さい」
「その様にするでし」
郁も答えた、そうしてだった。
三人はそれぞれが攻める門の前に出た、そのうえで。
門への攻撃に入った、呉は蛇矛を前に突き出し。
そこから流星の様な衝撃波を放った、衝撃波は鉄の分厚い門を一撃で粉々にしてしまった。そして巴と郁の術もだった。
門を一撃で壊した、三人はそれぞれ門を壊して周った。
呉は城の東の方の門を全て壊してから兵達に言った。
「よし、私に続くんや」
「わかりました」
「ではこれよりです」
「城に入ります」
「民達やが」
城の中にいる筈の彼等の話もした。
「出来た領主やな」
「はい、戦の前に城の外に逃がしています」
巴が答えた、貝殻から言ってきた。
「既に」
「そうしてるさかいな」
「これから戦になろうともです」
「民に迷惑はかからん」
「攻城戦はどうしても民を巻き込むリスクが生じます」
これは城自体が街だからである、この世界においても街はほぼ確実に城壁で囲まれ城となっている。日本等限られた国以外ではそうなっているのだ。
「そのことを考えて」
「もう最初からな」
「民を逃がしていました」
「食料や財産持たせてな」
「見事なものです」
「私達は民に手出しはせん」
事実三人共民の避難場所は確認したが一切手を出していない、逆に雨や寒さを凌ぐ為にテントを送った程だ。
「そのこともわかってやとな」
「尚更ええですね」
「民を戦に巻き込まない様にする」
「しかも私達の考えをわかっているなら」
「民のことを考えしかも頭も切れる」
「中々の人物ですね」
「女らしいが」
敵の棟梁の性格もわかっていた。
「オークのな」
「かなりの人物ですね」
「ああ、ほなな」
「敵として失うに惜しいです」
「是非こっちに欲しいな」
「まことに。星の者でなくとも」
このこともわかっている、その敵の女オークの棟梁は元からこの世界にいて暮らしている人物であるのだ。
「優れた人材ならば」
「用いんとな」
「あきませんね」
「ああ、倒したらな」
その時はというのだ。
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