夢幻水滸伝
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第二百三十九話 真の主力での攻撃その四
「誘いをかけような」
「そうしましょう」
呉も応えた、そうしてだった。
三人はそれぞれ城に入った、すると。
敵軍は民家や店の屋根の上や窓から銃や弓矢、術を使って攻撃してきた。空にも飛べる者達が展開している。
呉はその状況を見て兵達に告げた。
「民家も店も民のものや」
「だからですね」
「出来る限りですね」
「戦が終わって民が帰る場所や」
だからだというのだ。
「出来るだけな」
「壊さずに」
「占領していきますね」
「ここは術や道具を使う」
呉は冷静にこの判断を下した。
「眠らせり麻痺させたりしてな」
「動けなくして捕虜にする」
「そうしつつですか」
「敵を捕らえていきますか」
「そうする、私達もや」
こう言って実際にだった。
呉は睡眠の術を使った、すると一つの民家の屋根の上とその窓から攻撃を行っていた十人程の敵兵達がだった。
忽ちのうちに眠りに入った、呉は術を放ち終えてから述べた。
「こうしていくで」
「眠らせたりしてですね」
「敵を動けなくしていきますね」
「そうしますね」
「そや、民家を巻き込まんにも方法がある」
兵達に確かな声で話した。
「そやからな」
「こうしてですね」
「眠らせたりしてですね」
「敵を動けなくしていきますね」
「そしてな」
呉はさらに話した。
「術使えんもんは道具を使ってな」
「そうして敵を動けなくする」
「そうしていきますか」
「道具も使いますか」
「民家や店を壊すよりもずっと安つく」
呉はこの判断も述べた。
「そやろ」
「はい、道具よりもです」
「やはり家や店を建て直す方が銭がかかります」
「それは否定出来ません」
「どうしても」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「ここはそうしてくで」
「わかりました」
「ほなです」
「そうしていきましょう」
「民家や店を傷付けない為に」
「この戦ではな」
呉はこのことを貝殻で巴と郁にも話した、すると二人も彼の考えに賛同してだった。
その様にしていった、三人はそれぞれの兵を率いてだった。
城の中を占領していった、そして遂に内城にまで迫ったがそこは堅固な守りであった。しかも兵も多かった。
「これはでしね」
「普通に攻めてもな」
呉はその内城を共に観る郁に応えた、場には巴もいる。
「中々な」
「攻め落とせないでしね」
「それやとな」
「これまで通りでしね」
「術や道具を使って敵兵を動けなくするか」
「そうでしね」
郁も頷いた。
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