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夢幻水滸伝

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第二百三十九話 真の主力での攻撃その一

                第二百三十九話  真の主力での攻撃
 呉、巴、郁の三人は自分達が率いる十万の軍勢を青島から敵の拠点である済南に進ませていた、その間敵の防衛ラインは脆弱なものばかりであり。
 彼等は何なく突破していた、そうして済南に進んでいたが。
 郁は夕食を食べる時に巴に言った。
「敵の守りは薄いでしね」
「そこを衝いてです」
 巴も答えた。
「攻めていますし」
「これは予想通りでしね」
「そしてです」
 三人で包を食べている、巴はその包を三人と共に食べているのだ。包の他には様々な野菜や魚肉それに豆腐を入れた湯即ちスープがある。
 そこに羊の串焼きもある、そういったものを食べつつ話しているのだ。
「彼等がこちらに向かおうとしましても」
「西からの四十万の兵がでしね」
「それが許しません」
 その彼等がというのだ。
「若し私達の方に向かうと」
「西からの四十万の兵がでしね」
「済南を襲い」
 そうしてというのだ。
「奪い取ります」
「そうなるでしね」
「若し私達が四十万の兵を率いていれば」
 そうであればというのだ。
「彼等は四十万の兵に集中していました」
「そうでしね」
「大軍でかつ星の者達が将なら」
 それならばというのだ。
「必ずです」
「そちらに備えを集中するでし」
「そうします、ですが」
「あえてでしね」
「私達は四十万の兵は率いずに」
 そうしてというのだ。
「十万の兵を率い」
「済南に向かっているでしね」
「そうすればです」
「西の四十万もこの十万も敵の脅威となる」
 呉は羊肉を食べつつ言った、見れば郁は湯を口にしている。
「そうなるな」
「左様です」
 まさにというのだ。
「敵にです」
「両方に脅威を感じさせるな」
「一方が明らかな陽動なら」
「敵もそれに対してくるな」
「陽動は軽く抑え」
 そうしてというのだ。
「主力にです」
「決死で向かうな」
「そうします、ですが兵は少なくとも」
「そこに星のモンである私達がおってな」
「こちらも脅威であるなら」
 それならというのだ。
「限られた力を双方に向けねばならず」
「力も分散されてな」
「かつ余裕もなくなります」
「敵を追い詰めるな」
「敵をどう追い詰めるかも」
 このこともというのだ。
「戦ですね」
「そやな、それでやな」
「私は呉さんに提案したのです」
「青島からの十万の兵にやな」
「私達を向けることにしたのです」
「そうしたんやな」
「この世界にはヒドラがいます」
 多頭の蛇である、ドラゴンのうちの一種であり非常に強力なモンスターの一つだ。ただしドラゴンだけあって数は非常に少なく案外温和な種族である。
「ヒドラは頭が多いからこそです」
「強いな」
「そうです、そして双頭蛇も」
 今度はこの獣の話もした。 
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