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夢幻水滸伝

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第二百三十八話 済南へその十二

「恐ろしいです」
「そうでしね」
「身体に斑点が出来てです」
「それが瘡蓋になってでし」
「身体が徐々に蝕まれ」
 そうしてというのだ。
「そしてです」
「苦しみ抜いて死ぬでし」
「鼻が落ちることで有名ですが」
 梅毒と言えばそうなることで有名である、徳川家康の次男であった結城秀康も梅毒でそうなっていたという。
「しかしです」
「それだけやないでし」
「身体中が腐っていくのです」
「脊髄もやられて動けなくなるでし」
「そして脳にも至りです」
「発狂もあるでし」
「耳も聞こえなくなる場合があります」 
 作曲家のスメタナがそうなっていたという、ベートーベンの耳のことも実は梅毒が原因であったという説がある。
「頬も腐って肉がなくなり」
「そこから歯が見えることもあるというでし」
「そうした恐ろしい状況に陥り」
「朽ちていく様に死ぬでし」
「そうなりますから」
「エイズより恐ろしいでしね」
「そうならない為に」
 だからこそというのだ。
「絶対にです」
「梅毒は感染しないことでしね」
「何といっても」
「だからコンドームは必須でしね」
「それは冗談でなく」 
 まさにというのだ。
「真剣な対策なのです」
「その通りでしね」
「事実梅毒で戦が出来なくなったことがあります」
「イタリア戦争やな」
 呉はその戦が何かすぐにわかった。
「その時のフランス軍やな」
「はい、ナポリを占拠しましたが」
「そこで将兵が娼婦の姉ちゃん達と遊んでな」
「その時はただ快楽を貪っていましたが」
 それがだったのだ。
「しかしです」
「それがな」
「はい、娼婦といえばです」
「当時はな」
「そこから性病が蔓延することはです」
 まさに今話していることはというのだ。
「当然のことであり」
「日本でもそやったしな」
「吉原の遊女の寿命は非常に短かったですが」
「死因の多くに梅毒があった」
「そして当時のナポリでもです」
 そこでもというのだ。
「娼婦達の多くが感染者であり」
「それでな」
「将兵達が感染し」
「梅毒が蔓延してな」
「とても戦える状況ではなくなり」
 そうなってしまったのだ、梅毒で身体が蝕まれていて戦える筈がない。
「撤退しました」
「そうなったな」
「敵に梅毒を感染させる工作もありますし」
「それゴルゴ13でもあったな」
「あの主人公に感染させようとしましたね」
「当然見破ったけどな」 
 尚何故見破ったかは詳細は不明である。
「それでもな」
「そうした工作があることは事実で」
「梅毒はそれだけ怖いってことやな」
「放置してはいけない」
 そうすれば命に関わるからだ。 
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