夢幻水滸伝
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第二百三十八話 済南へその十一
「そやからです」
「軍の中でな」
「そうした店を利用してもらい」
「ゴムもな」
これもというのだ。
「絶対に使ってもらう」
「左様ですね」
「使わんとな」
そのコンドームをというのだ。
「妊娠と性病を防ぐ為に」
「兵達にも言いましょう、ここは厳しくです」
「そうした際はやな」
「着用を義務付ける」
「そうするな」
「はい、厳しいとは思いますが」
それでもとだ、巴は呉に話した。
「そこまでせんとです」
「性病が蔓延するとかな」
「これはもう悪夢です」
「今はよおてもな」
「後が大変です」
文字通り悪夢になるというのだ。
「梅毒の流行なぞ」
「淋病だけでも厄介やのにな」
「この世界にもエイズがありますし」
「こっちの世界でも元々アフリカ南部の病気でな」
「そこから世界に拡散されています」
「そうなってるな」
「幸いこの世界ではエイズのワクチンもあります」
これもというのだ、この世界でもペニシリンがありその為に感染しても治療を受けて完治することは可能なのだ。
「勿論梅毒も」
「それはええことやな」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「感染すること自体がです」
「問題やからな」
「病は最初からならない」
「それが第一やな」
「そやからです」
「衛生管理の徹底の一環としてな」
「コンドームの着用を義務付けましょう」
そうした行為を行う際はというのだ。
「妊娠とです」
「性病の蔓延を防ぐ為にな」
「そうしていきましょう」
「ほなな」
「いいことでし」
郁は巴の考えに真面目な顔で賛同の意を述べた。
「戦に勝つことも大事でしが」
「疫病対策もですね」
「必須のことでしから」
だからだというのだ。
「だからでし」
「私の今回の考えはですね」
「僕ちんも賛成でし」
こう言うのだった。
「是非やるべきでし」
「はい、それで輸送する物資の中にです」
「食料や弾薬、武器とでしね」
「被服もであり」
「コンドームもでしね」
「入れます、冗談に聞こえるかも知れませんが」
重要な軍事物資の中にそうした下世話とも言えるものを含んでいることはというのだ、巴はそうした考えt共に言うのだった。
「これは真剣なことであり」
「重要なことでし」
「そうです、それだけ性病は恐ろしいのです」
「エイズも怖いでしが」
「むしろ梅毒の方がです」
この病気のことを特に言うのだった。
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