八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百五十七話 お姫様その六
「あの国は」
「連合みたいに近代国家じゃなくて」
「魔法も超能力もある」
「仙人もいるらしいし」
「つい最近まで戸籍になかった人達が一千億もいたし」
アウトカースト層の者達のことだ、そのカーストの者達は連合では非常に同情的に見られている。これは連合では階級が嫌われているからだ。
「何かとね」
「凄い国よね」
「映画にしても」
カトリはこちらの話もした。
「壮絶よね」
「ああ、あれね」
「マウリア映画はね」
「もう異次元よ」
「そうよね、今回の文化祭でも上演されてたけれど」
カトリは三人にコニャックを飲みながら話した。
「凄かったわね」
「シャーロック=ホームズでもね」
エイミーが応えた。
「カーリー女神信仰していて」
「頭にターバン巻いて口髭生やしたホームズよ」
「新解釈どころじゃないわね」
「そんな風でね」
それでとだ、カトリはさらに話した。
「女神様召喚して巨大化した女神様がバトルする」
「光の巨人みたいね」
「それでやっぱりね」
カトリはここでこう言った。
「マウリア映画だから何かあると」
「ここぞという時になったら」
「いきなり何処からか人が一杯出て来て」
「歌って踊るのよね」
「皆にこにことしてね」
そのうえでというのだ。
「服も踊る中でどんどん変わって」
「場所までね」
「それで歌って踊りながら会話して」
「終わったら何事もなかったみたいにストーリー再開よね」
「そうなのよね」
「ホームズって推理なのに」
プリシラも首を傾げさせて言う。
「何でそうなるのかね」
「まあマウリアだからね」
エイミーはもう仕方ないという顔であった。
「そういうものでしょ」
「連合の常識は通用しないのね」
「だから一千億もよ」
「戸籍に載ってない人がいたのね」
「それでその人達が社会生活営んでいたのよ」
「カースト内の人達の隣で」
「そうよ、そこにいるけれどいない」
その様にというのだ。
ページ上へ戻る