夢幻水滸伝
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第二百三十八話 済南へその三
「そしてです」
「無茶苦茶多くの勢力に分かれてるな」
「欧州だけで他の地域の大小の勢力を合わせただけの数があります」
「幾万はあるな」
「少なく見積もっても」
「人口は五億位で」
それでというのだ。
「あの地域にな」
「まことに多くの勢力が分かれ」
「とんでもない状況や」
「その中であちらの星の方々はことを進めていますが」
「随分遅れてるらしいな」
「その様です、統一は遥か先かと」
欧州のそれはというのだ。
「やはり」
「そやろな、あっちは全員天の星の人やが」
「あまりにも渾沌としていてです」
「技術も遅れていてな」
「この中国にしてもアメリカにしても街や村は一つになっています」
そうした状況だというのだ。
「そやけどです」
「あっちはな」
「はい、その街や村でもです」
「幾つかの勢力に分かれていてな」
「そうしてです」
「互いに争ってる」
「そうした状況なので」
街や村でさえまとまっていないのでというのだ、巴はそのことも聞いていてそれで呉に話しているのだ。
「そうですさかい」
「あっちは統一も発展もな」
「まだまだ先です」
「まずはある程度の勢力になってくことやな」
「星のそれぞれの方のそれが」
「そうした状況やな」
「あちらは。そしてお話を戻しますが」
巴はあらためて述べた。
「空船をです」
「用いてやな」
「今からです」
「偵察もしてくか」
「まずは敵を知ることです」
何といってもというのだ。
「戦は」
「その通りやな」
「敵の状況を。そうですさかい」
「空船もやな」
「今から動かしていきましょう」
「敵のことを見ていくな」
「偵察を行います」
その様にするというのだ。
「そうしていきましょう」
「よし、そうしよな」
呉もそれでいいとした。
「ほなな」
「戦の用意とですね」
「空船を使った偵察をな」
その両方をというのだ。
「行うで」
「わかりました」
巴も応えた、そうしてだった。
三人は然るべき者を使者に選び済南に送ると共に。
戦の用意と偵察をはじめた、そのうえで使者の返事を待った。呉はそのことを巴それに郁と夕食を食べつつ話した。
黄河で獲れた鯉を丸揚げしたものに野菜を多く入れた中華の刺身にだった。
炒飯と何種類かの青菜をごま油で炒めたものにごま団子がありそれを紹興酒と共に楽しんでいる、その中で彼は言った。
「さて、今頃済南に着いてな」
「こちらのお話をしているでしね」
郁は飲みつつ応えた。
「そうでしね」
「そや、それでな」
「使者が帰って来る頃にはでし」
「戦の用意はある程度やが」
「それでもでし」
「ゼロとある程度は全くちゃう」
「はい、その分早く戦に入られるでし」
郁は呉のその言葉に答えた。
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