夢幻水滸伝
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第二百三十八話 済南へその二
「兵を動かしましょう」
「そうして敵が準備するよりもやな」
「動きます、しかも川と鉄道を使ってなので」
「一気に行けるな」
「そうです、では今よりです」
「戦の用意やな」
「それに入りましょう」
早速という感じの言葉だった。
「そうしましょう」
「そうして使者が帰って来てな」
「降ることを断られたとなると」
「その時はな」
「戦や」
それだとだ、呉は言った。
「即座に兵を動かすな」
「河と鉄道を使って」
「それにでし」
郁も言ってきた。
「僕ちん達も空船を持てたでし」
「あれも使います」
巴は郁にそれは当然だと答えた。
「当然」
「そうでしね」
「はい、空からです」
「敵を見るでしね」
「そうしましょう、気球も使えますが」
「あれもでしね」
「そうです、気球を使えば」
そうすればというのだ。
「空からです」
「敵を見られるでし」
「飛べる種族や舞空の術を使っても」
そうした場合もというのだ。
「可能ですが」
「気球や翼人、舞空の術ではでし」
「速度がやや遅く」
「それで、でしね」
「対空攻撃に弱いです」
「そこが弱点でしね」
郁もこのことはわかっていた。
「やっぱりでし」
「ですが空船はです」
「速めですし」
「船底に装甲を張りです」
その様にしてというのだ。
「強度を高められるでし」
「そうです、ですから」
「空から見るならでしね」
「空船が一番です」
そうなるというのだ。
「まだこの国は航空機を開発出来る技術ではないですので」
「それな、航空機な」
呉は巴が航空機の話をしたところで言った。
「こっちは大体一九〇〇年代の技術やな」
「起きた世界で言いますと」
「それか少し前やな」
「左様ですね」
「日本が一次大戦前でな」
「東南アジアやオセアニアはおおよそ一八八〇年代で」
こうした地域はというのだ。
「それでな」
「サハラ砂漠以降のアフリカや中南米は一八五〇年代か」
「北極上空や地下世界は産業革命直後です」
「それでアメリカが二次大戦頃やな」
「他の地域は産業革命以前です」
「欧州なんかやっと鉄砲が入った位や」
「この世界では欧州の技術レベルはかなり低いです」
巴はこのことにも言及した。
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