夢幻水滸伝
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第二百三十八話 済南へその一
第二百三十八話 済南へ
呉達三人は河南省の南部を全て掌握しかつ山東省の南から遂に青島に至りこの街を飛び地でなくした。そしてだった。
「山西省が遂にでし」
「完全に手中に落ちたな」
「そうなったでし」
郁は呉に笑顔で話した。
「昨日最後の村が自分達から帰順を申し出て」
「それは何よりやな」
「これで、ですね」
巴が笑顔で言ってきた。
「私達はです」
「ああ、河南省も南部を全部掌握した」
「河南省の四分の三程をそうしました」
「そやな」
「そして山東省もです」
こちらもというのだ。
「青島に至りました」
「そちらもそうなった」
「かなりの大勢力で何十万もの兵を動かせる様になりました」
「しかも鉄道でな」
「そうなりました、ですが」
それでもとだ、巴がここで呉に厳しい顔で話した。
「我々がそうしている間にです」
「済南を中心としてな」
「一つの勢力が大きくなり」
そうしてというのだ。
「山東省と河南省の我々がまだ掌握していない地域をです」
「どんどん掌握してな」
「かなりの勢力になっています」
「このままいくとな」
「はい、我々より勢力は落ちますが」
それでもというのだ。
「五千万の人口を擁し」
「二十万位の兵を動員出来るだけの勢力になるな」
「無視出来ません」
それだけの勢力に至ればというのだ。
「まことに」
「そうやな、こっちが話をして降るやろか」
「まず使者を送りましょう」
巴は呉の降るかどうかという問いにはこう答えた。
「そうしましょう、それで降ればです」
「それでええな」
「ですが降らないなら」
それならというのだ。
「その時はです」
「戦うしかないな」
「はい、こちらも兵を動員し」
そのうえでというのだ。
「そうしてです」
「攻めていくな」
「そうしていきましょう、その際は黄河と鉄道を用い」
この二つをというのだ。
「大軍をです」
「一気に進ませるな」
「この洛陽から黄河で済南に向かい」
そうしてというのだ。
「青島からもです」
「兵を進ませるな」
「そうして二方向からです」
「敵を攻めていくか」
「敵の拠点を一気に狙いましょう」
済南をというのだ。
「そしてです」
「戦をすぐに終わらせるな」
「そう考えています」
「戦になればか」
「そして戦の用意はです」
続いてそれの話もした。
「使者を送る前からです」
「はじめるか」
「そして降ればよしですが」
「断わるとか」
「使者が帰って来ると同時に」
まさにその時にというのだ。
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