夢幻水滸伝
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第二百三十七話 武の用い方その十三
「害にしかなりません」
「人格の問題でしね」
「はい、今お話している輩は」
「用いるべきではないでし」
「腐ったゴミです」
「腐ったゴミはでしね」
「置いているだけで駄目です」
最早その時点でというのだ。
「周りにも害にしかなりません」
「悪影響を及ぼすでし」
「最悪同じ様な輩を生み出すか」
若しくはというのだ。
「そうでなくても場の雰囲気を悪くして」
「お仕事に影響を与えるでし」
「不快な思いをさせる人が一緒ですと」
その場でというのだ。
「それだけで雰囲気が悪くなりますね」
「そして能率が落ちるでし」
「ですから」
「そうした輩はでしね」
「クビにするしかです」
「ないでしね」
「怠ける位ならいいです」
それならというのだ。
「まだ」
「どんな働き者ばかり集めてもな」
呉がこの世界のこれまでの経験から語った。
「それでもな」
「十人いたらでしね」
郁もそれはと答えた。
「一人は絶対にでし」
「怠けるな」
「そうでしね」
「そしてその怠けるモンを他の場所に置いてな」
「怠け者と一緒にしたらでし」
「働くな、怠け者ばかりにしても」
そうした配置にしてもというのだ。
「報酬ちらつかせたりハッパかけたら十人のうち九人は働く」
「全員怠けません」
「そうなるな」
「怠け者は誰でもなる可能性があります」
「逆に言えば働き者にもな」
「そうなります、ですが」
それでもというのだ。
「どうしようもない輩はです」
「その中でもな」
「何処に置いてもです」
環境に関係なくというのだ。
「同じです」
「不平不満ばかりでな」
「他者のあげつらいばかりして」
「努力せんでな」
「害にしかなりません」
「そやからな」
「クビにするしかありません」
それしか手はないというのだ。
「何とかに付ける薬はないといいますが」
「その何とかもな」
「実は何とかなります、愚直ならです」
そうした者ならというのだ。
「しっかり教えれば」
「何とかなるな」
「そうした輩は教えてもです」
「更正せんな」
「何をしても駄目なので」
それでというのだ。
「もうです」
「クビにするな」
「流石に稀にしかいませんが」
そこまでどうにもならない輩はというのだ、この世界でも起きた世界でもそこまで碌でもない輩はそうそうはいないというのだ。
「しかし我々の方にいるなら」
「クビにするしかない」
「そうです」
「性格でしね、大事なのは」
郁は腕を組んで述べた。
「そこまでどうにもならないと」
「誰が何してもな」
「よくならないでしね」
「腐りきった奴は戻らん」
腐りきったままだというのだ。
「ほんまにな」
「左様ですね」
「そのこともな」
「覚えておくでしね」
「そうしてこな」
こうした話もしながら三人は三章の統一を進めていった、それは河南省の南部にも至り山東省の青島にも迫り彼等の統一は順風に進むかと思われた、だがそれには一つの障害があり彼等はその障害と対することになるのだった。
第二百三十七話 完
2021・12・8
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