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夢幻水滸伝

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第二百三十七話 武の用い方その十

「それはや」
「当然でし」
「そういうことや」
「ではでし」
「軍律を徹底させてくで、それとな」 
 呉はさらに話した。
「そうしたことを防ぐ為にな」
「兵達に給料を払っています」
 巴が答えた。
「それも結構な額で」
「衣食住も保証してな」
「そして役人達にも給与を支払っています」
「暮らせるだけな」
「そうすればです」
「兵達も略奪とかせんしな」
「役人も汚職をしません」
 そうなるというのだ。
「少なくともかなり減ります」
「そうなってるな」
「汚職は何故するか」
 巴はこのことも話した。
「あればあるだけ求める輩もいますが」
「貪欲にな」
「多くの者は生活のことがあり」
「やるな」
「ですから充分な給与を支払えば」
 それで生活を保障すればというのだ。
「年金も含めて」
「汚職は減るな」
「それもかなり」
「そうなるな」
「汚職を罰することも大事ですが」
「事前に防ぐこともな」
 このこともというのだ。
「大事でな」
「むしろ事前にそうする方がいいです」
「汚職での害を考えるとな」
「給与を支払う方が害で受けての損害よりも」 
 さらにというのだ。
「出るお金は減ります」
「そうやからな」
「給与を支払います」
「そうするな」
「ただこの世界でも付け届けはあり」 
 礼儀としてのそれはというのだ、所謂贈りものである。
「民達の間で普通に行われているので」
「それを贈るのも受け取るのも礼儀でな」
「これは無闇に禁じることは」
「難しいな」
「はい、ですから」
 付け届けはというのだ。
「あまり」
「禁じんな」
「賄賂との線引きは難しいですが」 
 それでもというのだ。
「これ位と言いますが」
「まあええか」
「はい、このことは」
「あれも駄目これも駄目とかもな」
「窮屈になりです」
「かえってよおないからな」
「秦も実はそうではなかったですし」
 始皇帝のこの国のことだ、史記では極めて厳格で苛烈な法治を行っていたとあるが昨今の研究でその法治は弾力的だったことがわかっている。
「ですから」
「私達もな」
「その様にしていきましょう」
「弾力的にな」
「そうしていきましょう」
 法治をというのだ。
「その様に」
「そういうことでな」
「付け届けもです」
「ええってことでな」
「法で禁じることはです」
 それはというのだ。 
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