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夢幻水滸伝

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第二百三十七話 武の用い方その一

               第二百三十七話  武の用い方
 呉と巴、郁は三人で仕事をはじめた。用意された部屋に呉が一番奥彼から見て左手に巴右手に郁がお互いに向かい合った形で席を置いてだった。
 仕事にかかっていた、市長はその三人に申し訳なさそうに言った。
「申し訳ないですが机は」
「この事務用のやな」
「そうです、普通に役人が使っている」
 そうした事務的なものだというのだ。
「それしかなくて」
「これでええわ」
 呉は市長に平然として答えた。
「私等はしっかり座って仕事出来たらええ」
「だからですか」
「机は普通にあるもんでな」
「構いませんか」
「そや、これからもな」
「では替えることもですね」
「せんでええ、若し壊れたら同じ形のをな」 
 その机そして椅子をというのだ。
「出してくれ」
「それでいいですか」
「ああ、肝心なのは政や」
 机や椅子のことではなくというのだ。
「それや、それでこれから洛陽の周りの街や村に使者を送ってな」
「こちらの勢力に加わる様に誘いをかけます」
 巴も言ってきた。
「そして入ってもらいます」
「そうしていきますか」
「はい、そして」
 巴はさらに話した。
「警察を用いて街のならず者達は一掃します」
「そうしますか」
「全員捕らえ重罪人は死刑か重労働を課し」
 そうしてというのだ。
「罪の軽い者は軍に入れて徹底した厳しい軍律と訓練で鍛えなおし」
「兵にしますか」
「そうします、そして軍の装備の質も全体的に一ランクか二ランク上げて」
 その様にしてというのだ。
「そのうえで勢力圏の中の賊やモンスターの征伐に向かわせます」
「この河南省のモンスターは全て把握したでし」
 郁はこちらの話をした。
「種類や数、生息場所、ステータスや弱点は全て兵隊さん達にお話してでし」
「そのうえで、ですか」
「征伐にあたるでし、強敵には僕達が向かって」
 そうしてというのだ。
「そのうえで直接でし」
「倒されますか」
「そうさせてもらうでし、あと仲間になりたいモンスターは」
 彼等のことも話した。
「軍に加えていくでし」
「それと賊も街のならず者達と同じく重罪人には厳罰を課して」
 呉がまた話した。
「それで罪が軽いとな」
「軍に入れますか」
「そうしてどんどん軍も強くして」
「賊やモンスターをさらにですか」
「征伐してく、そうして民の不安を取り除く」
「そうした存在が民を脅かしているので」
「そうするで、街だけやなくて勢力圏の治安全体をな」
 まさにそれをというのだ。
「よおしてくで」
「その為に警察や軍を用います、他の街や村は今は攻めません」
 一切とだ、巴は言い切った。
「今は降らない街や村はです」
「手出しをしないですか」
「それよりも治安を優先し」
 そうしてというのだ。
「インフラの整備そして農業と商業、工業の発展にです」
「力を入れていきますか」
「そうします、勢力圏に入った全ての街や村にそうして」
 内政に力を注いでというのだ。
「発展させて民を豊かで幸せにします」
「そうしていくのですか」
「そうしていけば」
 巴は市長に微笑んで話した。 
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