| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十六話 洛陽に出てその十四

「私達は」
「この世界を救う為に働くからな」
「どの世界でもです」
「救うのは大変やな」
「その仕事が忙しい筈がありません」
「そやな」
「そうですさかい」
 だからだというのだ。
「忙しくてです」
「当然やな」
「左様です、では私達三人」
「これからはやな」
「力を合わせていきましょう」
「誓いもしたでし」
 郁はこちらの話をした。
「そうですさかいでしね」
「そやな、やってこな」
「三人で」
「三人いれば太公望の知恵というな」
「あれっ、孔明さんではないでし?」
「そやったか」
「劉基か張良さんかも知れないでしが」 
 前者は明の太祖の軍師後者は漢の高祖の軍師であった、二人共その智謀は中国の長い歴史に残るまでであった。
「まあ兎に角でしね」
「三人おればな」
「それでまとまっていればでし」
 それならというのだ。
「凄い知恵も出るでし」
「そやな」
「そして知恵以外も」
 それだけでなくというのだ。
「他のことでもでし」
「力を発揮出来るな」
「一人で出来ないことも」
 そういったものでもというのだ。
「三人いればでし」
「出来るな」
「だからでし」
 それ故にというのだ。
「これからはでし」
「三人でな」
「やっていくでし」
「そうしよな」
「では私達は洛陽からです」
 巴がまた言った。
「ことをはじめましょう」
「今からな」
「この政庁に三人の部屋を置いてもらって」
「そこで政務も執るな」
「そうしましょう、サインなり判子なりです」
「トップがせんとな」
「何も動きませんし」
 政はというのだ。
「そやからです」
「三人でな」
「部屋と机を用意してもらって」 
 そうしてというのだ。
「はじめましょう」
「ではです」
 市長が言ってきた。
「最上階に一つ空いているお部屋がありますので」
「そこにやな」
「入られますか」
「空いてる部屋やったら何処でもええ」
 呉は笑って答えた。
「別にな」
「そうなのですか」
「部屋と机があったらな」
 それで、というのだ。
「仕事は出来るさかいな」
「だからですか」
「部屋はな」
 空いているものならというのだ。
「何処でもええ」
「そこにお三方が入られて」
「仕事するわ」
「わかりました、ではこれより」
「やらせてもらうで」
 呉は市長に笑顔のまま応えた、そうして用意された部屋と席においてだった。
 三人でことをはじめた。ここから彼等の行動が本格的にはじまった。


第二百三十六話   完


                     2021・12・1 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧