| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十六話 洛陽に出てその三

「探しています」
「それでは」
「はい、貴方のお仕事は軍師ですね」
「左様です」
 巴はその通りだと答えた。
「お話した通りに」
「では丁度いいかと」
「傭兵隊の軍師になり」
「働かれて功を挙げられては」
 こう提案するのだった。
「丁度傭兵隊は今出陣準備に入っています」
「もうですか」
「実は近くにモンスターの群れ、何千と出まして」
「何千ですか」
「その退治を依頼されまして」 
 その為にというのだ。
「今現在です」
「出陣の準備に入っていますか」
「ですが軍師がいません」 
 マスターはこのことを話した。
「丁度病気で入院中で」
「そういうことですか」
「貴方は星の方しかも軍師なので」
 それでというのだ。
「丁度いいと思いますが」
「そうですね、ではです」
 呉はマスターの言葉に頷いた、そうしてだった。
 マスターに傭兵隊の事務所を案内してもらいそこに自ら赴きここでも自身のことを話した、すると。
 マミーの初老の男である傭兵隊長は驚いて言った。
「まさか星の方が来られるとは」
「思いませんでしたか」
「はい、ですがそのステータスで軍師になって下さるなら」 
 それならというのだ。
「こっちも有り難いです」
「それでは」
「是非入って下さい」
 こう巴に言うのだった。
「そしてこれから出陣しますが」
「モンスター退治にですね」
「お力を貸して下さい」
「わかりました」
 巴は隊長の頼みに素直に頷いた、そうしてだった。
 傭兵隊の軍師となり出陣に同行した、傭兵隊は青島の北西に浮かんでいる浮島に空船で入った。するとそこの西の森にだった。
「あちらにですか」
「はい、何千ものモンスターが出てです」 
 隊長は巴に話した。
「それでこの浮島の民からです」
「要望が来てですね」
「私達がここまで来ました」
「そうなのですね」
「我々は千人ですが」
 隊長は数の話もした。
「相手は何千です」
「数では劣勢ですね」
「それもかなり」
「左様ですね」
「ですから」
 そうした相手だからだというのだ。
「ここは陣形と整えましょう」
「陣形をですか」
「そうしますか」
「この度は」
「そして守りを徹底的に固め」
 そのうえでというのだ。
「お昼は寝て夜は生きものの内臓やすじ肉を煮ましょう、香辛料や調味料は一切入れないで」
「我々全員で、ですか」
「そうしますか」
「そうしたものを煮るのですか」
「そうします、森の中にいる獣やモンスターは肉食なので」
 だからだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧