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夢幻水滸伝

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第二百三十五話 邯鄲からその十四

「怖ないやろ」
「一人では重苦しくとも」
「三人ならでしね」
「そや、人はそういうもんや」
 笑ってこうも言った。
「一人やと心細くても」
「三人やとですね」
「支え合うことが出来るさかいな」
「何とか行けるでし」
「今回みたいな時もな、ほなな」
「はい、明日は」
「三人で行こうな」
 こう言ってだった、呉は二人に休む様に告げて自分もそうした、そして三人は朝起きるとすぐに全軍に命じた。
「まず飯食うんや」
「飯ですか」
「それですか」
「腹が減ってると何も出来ん」
 だからだとだ、彼は兵達に答えた。
「そやからな」
「はい、それではです」
「まず飯食います」
「それで陣の建て直しや」
 それも行うというのだ。
「散々やられたからな、恰好つく位にな」
「建て直すのですね」
「そうするのですね」
「そや、それでな」
 そのうえでというのだ。
「私達三人は敵陣に行って羅さんと会って来るわ」
「そしてですか」
「そのうえで、ですか」
「ことを収めてくるわ」
 こう言ってそうしてだった。
 彼も朝食を摂った、包と野菜と鶏肉の湯を巴そして郁と共に食べて食べ終えると二人に対して告げた。
「ほなな」
「これからですね」
「行くでしね」
「そうするで、これで決まる」
 羅のところに行ってというのだ。
「というか決められる」
「そうですね、もう全てはです」
 巴は強い声で述べた。
「羅さん次第です」
「羅さんに全部預ける」
「私達のことは」
「ただ何があっても将兵と民はな」
「安全を頼みますね」
「それが断われるんやったら」
 呉はその場合も述べた。
「その時はな」
「あくまで戦いますね」
「敵陣を何とか逃れてな」
 そのうえでというのだ。
「そしてや」
「そうしますね」
「そのうえでな」 
 呉は言葉を続けた、食事の後片付けは三人でしている。周りの兵達がしようとするが笑ってそれはいいとしてのことだ。
「戦うで」
「そうしますね」
「そや、しかし羅さんもあちらの他の星のモンも」
「そうしたことはしないでし」
 郁が答えた。
「これまでを見ているとでし」
「一切な」
「民には危害を及ばさせないでし」
「そして兵もな」
「戦が終われば自分の兵に入れているでし」
「捕虜の時も丁重に扱ってな」
「だからでし」 
 それでというのだ。 
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