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おぢばにおかえり

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第六十九話 先輩達と会ってもその十二

「誰でもなの」
「親戚でも同じですしね」
「嫌いだとなの」
「はい、徹底してです」 
「嫌がらせをするのね」
「親戚中にあることないこと言い回って嫌いな大蒜も置いてどの親戚のところにもいられない様にして勿論会っても顔背けて話もしません」
「最低ね」
 今この言葉が出ました。
「そこまでするの」
「生きてるだけで害毒撒き散らすみたいな奴で」
「奴なのね」
「七十過ぎの女の人で」
「その人も嫌いなのね」
「もう人としていいところないですから」
 新一君の目に憎しみが宿っていました、とにかくその人が心の底から嫌いなのがわかりました。
「もう親戚中に迷惑かけていて平気な」
「それでいられない様にしているの」
「はい、努力しています」
「そんな努力はしないの」
 また八重歯を出して怒りました。
「その親戚の人が一体何したか知らないけれど」
「僕が知ってるだけでもかなりありますよ」
「それでそうしてるの」
「親戚全員に嫌われてますけれど」
「そこからさらにっていうのね」
「はい、もう何処にも居場所なくしてやろうと」
「というか十六よね、新一君」
 この子の年齢のことも思いました。
「そうよね」
「今年の七月で十七歳です」
「それでそこまで憎しみの念が強いって」
 ちょっとです。 
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