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夢幻水滸伝

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第二百三十五話 邯鄲からその九

「民に迷惑はです」
「かけられんな」
「エカテリーナさんやタゴールさんは割り切られる様ですが」
「世界を救う為にはってな」
「生き返らせられることもあって」
「お二人はそやな」
「しかしです」 
 それでもというのだ。
「私達はです」
「あまり出来んな」
「そうしたことは」
「そやからです」
「こうしてるな」
「そうです、ここで勝つかです」
「引き分けるしかないな」
「それで守りを固めましたけど」
 それでもとだ、巴は呉に難しい顔で述べた。
「正直言ってです」
「今の状況はやな」
「芳しくありません」
「そやな」
「はい、敵軍には一つ大きな切り札があります」
「羅さんやな」
「あの人が直接攻めてきますと」
 神星の一人であり敵の棟梁である彼がというのだ、既に彼が戦線に出ていて自ら采配を執っていることも知っている。
「その時はです」
「大変なことになるな」
「そうなるかと」
「そやな、その時はな」
「何とかです」
「私達で止めるか」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 三人でこの戦に対していた、三省軍は守りに徹していた。だが。
 その彼等を見てだ、羅は言った。
「頃合いになったら我もや」
「攻める」
「そうされますか」
「敵軍に対して攻勢を仕掛けられますか」
「直接率いている軍を率いてな」 
 周りにいる士官達に答えた。
「そうする、それでや」
「敵陣を破り」
「敵軍に大きな一撃を与える」
「そうしますか」
「そうする、適度に攻撃を浴びせて」
 そうしてというのだ。
「そうするで」
「わかりました、ではです」
「今は機を伺う」
「そうするのですね」
「そや」 
 まさにというのだ。
「そうするで」
「わかりました」
「では今はですね」
「我々は待機ですね」
「予備戦力となりますね」
「そや、今は屈達が攻めてる」
 見れば実際にそうしている。
「そやからな」
「それで敵が崩れますと」
「それならですね」
「そこで、ですね」
「攻めますね」
「そうするで」
 こう言ってそうしてだった。
 羅は状況を見守った、そしてだった。
 陳の砲撃で敵軍の鉄条網が破壊されその前に置かれていた地雷原も潰されると残は兵を進出させてだった。
 敵軍に銃や術で攻撃を浴びせた、そうして。
 魯も騎兵隊を向かわせた、すると呉と巴はだった。
 そこに歩兵を多く向かわせて守らせるが。 
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