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夢幻水滸伝

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第二百三十五話 邯鄲からその十

 羅は敵のその動きを見て言った。
「攻めるで」
「今ここで、ですか」
「そうしますか」
「そうされますか」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「そこは敵の右翼や、敵はそこから兵を動かして手薄になってる」
「だからですね」
「そこから攻めて」
「そうしてですね」
「敵に決定的な一撃を与える」 
 そうするというのだ。
「ええな」
「わかりました」
「ではそうしましょう」
「これより」
 士官達も頷いた、そしてだった。
 羅は麒麟に乗り自ら先頭に立ち青龍偃月刀を持ってだった。
 自らが率いる十万の軍を率いて敵の右翼に向かった、そして。
 敵の右翼に突撃した、その際に。
 麒麟に乗って空から青龍偃月刀を振るってだった。
 衝撃波を出しそれで敵の鉄条網も地雷原も破壊し。
 突破口をもうけた、そして兵達に告げた。
「我が先頭に立つ」
「そしてですね」
「突撃ですね」
「それに入りますね」
「そや、敵軍を突っ切るで」 
 こう言って実際にだった。
 羅は麒麟に乗って自ら先頭に立って十万の軍を率いて敵軍の中を突っ切りにかかった。七匹の蛟達を放ち青龍偃月刀を振るうと。
 敵兵達は嵐の中の木の葉の様に吹き飛ばされて散っていった、呉はその状況を見て巴に対して言った。
「これはな」
「私達二人でしかですね」
 巴もその状況を見て言った。
「相手は出来ません」
「そして二人で向かってもな」
「勝てないでしょう、ですが」
「私達でないと戦えん」
「郁君を入れても」 
 三省軍のもう一人の星の者である彼をというのだ。
「それでもです」
「勝てんな」
「ですがここは」
「私達が向かわんとな」
「将兵の損害が増える一方です」
 そうなるというのだ。
「そしてです」
「軍も崩壊する」
「そうなります、三人で勝てずとも」
「何とか引き分けには出来るな」
「そうかも知れません、では」
「郁も呼んでな」
「三人で戦いましょう」
 こう話してだった。
 すぐに郁を呼んで三人で羅の前に出た、三人共馬に乗っている。その三人の真ん中から呉は羅に言った。
「これ以上はさせません」
「そやからやな」
「本来なら一騎打ちを挑みますが」
「貴方の強さを見てです」
 巴は呉の右から言った。
「決めました」
「三人で来るか」
「宜しいでしょうか」
「何人でも相手にしたる」
 羅は巴に楽しそうな笑顔で答えた。
「誰でもな」
「そうですか」
「それが六将星や」
「ならでし」
 郁は緊張の極みにある顔で述べた、彼は呉の左にいる。 
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