夢幻水滸伝
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第二百三十五話 邯鄲からその七
「敵は三人、しかし全員それぞれの兵を率いる」
「そやからやな」
「手が一杯や、それでどう敵の星のモンを封じ込めるか」
「それも問題やな」
「それはな」
羅は強い声で言った。
「我が全体の指揮を執るが」
「それと共にか」
「そや」
まさにというのだ。
「ここはな」
「敵の星のモンを封じるか」
「そういう風にするか」
自分が彼等と一騎打ちを行ってというのだ。
「そうするか」
「自分自らか」
「ああ、それでどないや」
「それも手かもな」
こう言うのだった。
「そう考えてる、ほな今からな」
「そうしてやな」
「戦うで」
こう言ってだった。
魯は銅鑼を鳴らさせた、そうして戦のはじまりを告げた。
すぐに魯が率いる騎兵隊と空船達が三省軍の左右に展開し屈率いる軽騎兵や身軽な者達が駆けだした。それを見てだった。
呉は巴に本陣で問うた。
「騎兵隊には鉄条網を用意したしな」
「はい、空船には対空砲とこちらの空船を」
巴はすぐに答えた。
「置いています」
「そして後方にもな」
「銃兵、弓兵を多く配して守りも固めていて」
「備えてるな」
「正面にもそうしていますが」
見ればそちらには空堀と鉄条網がある、そして騎兵も隙間から出る用意をしている。
「しかし」
「ここまでしてもやな」
「果たしてどうか」
「数は相手は百万、こっちは五十万」
「倍の違いでして」
それにとだ、巴は難しい顔で述べた。
「しかも星の人もです」
「こっちは三人、相手は五人」
「差があります」
「しかも神星の羅さんもおられる」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「この戦はな」
「かなり苦しいです」
「ほんまにな」
実際にというのだ。
「この戦は」
「あの、ですが」
ここで郁が言ってきた。
「決めたでし」
「戦うとな」
「それならですしよ」
「最後までやる」
「そうするでし、辛い戦になっても」
それでもというのだ。
「勝つでし」
「そうするな」
「そうなる様にするでし」
「自分もそう言うか」
「僕ちんは戦は嫌いでし」
郁は自分の考えも述べた。
「そうでし、ですが」
「腹を括ったらな」
「そうするでし」
絶対にというのだ。
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