恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十八話 程昱、猫を愛でるのことその九
「そんなのはね」
「いいんですか?」
「匂いは味が美味しいとそれでいい匂いになるから」
だからいいというのだ。
「そういうものだからね」
「そうですか」
「そうよ。じゃあ今度御馳走してくれるかしら」
「はい、河魚等でいいでしょうか」
「いいわよ。シャオ河魚も大好きだから」
「何か色々なのがお好きなんですね」
「嫌いな食べものはないのよ」
こう笑ってナコルルに話す。
「だからね」
「それでなんですか」
「楽しみにしてるわね」
「はい、では今度」
こうした話をする二人だった。陣中は今のところ平穏だった。
しかしだ。そんな中でもだ。華陀は。何故か曹操に追いかけられていた。
曹操の手には鎌がある。それで彼を斬らんとだ。追っいるのだ。
「待ちなさい!」
「待て、俺が何かしたのか!」
「何で私の秘密を知ってるのよ!」
「便秘のことか。まだ治ってなかったんだな」
「何でそのことを知ってるのよ!」
「顔を見ればわかる」
それでだとだ。名医として見抜いたというのだ。
「そんなことはだ!」
「えっ、顔で」
「その顔色の悪さ、間違いない」
便秘だというのだ。
「だからだ。是非共後ろの穴からぶすりとだ」
「そんなの出来る筈ないでしょ?」
余計に怒る曹操だった。そう言われて。
「私は攻め専門よ。しかも後ろの穴なんて!」
「何だ?夜の秘めごとか?」
そうしたことに気付かない華陀はまた言ってしまった。
「最近毎日だな」
「それもわかるっていうの!?」
「腰の動きでわかる」
今度はそれでわかるというのだ。
「それからだ」
「くっ、何でもお見通しだというのだ」
「だからだ。動きでわかるんだ」
華陀は逃げながら言う。
「そういうことは」
「それならよ」
「今度は何だ」
「凛もそうだっていうの?」
「凛?ああ、郭嘉殿のことか」
「あまりにも美羽と仲がいいから」
確かに曹操公認でもだ。それでもだというのだ。
二人はもう立ち止まってだ。それで話をしちえた。
「まさかと思うけれど」
「安心しろ。接吻はあったな」
「ええ、美羽の頬にね」
郭嘉がした。このことはもう誰でも知っている。
「けれどそれでなの」
「止まっているな。郭嘉殿の腰の動きはいつも変わらない」
「だといいけれど」
「美羽殿もだ。あの二人は意外と奥手みたいだな」
「美羽はまだ子供だしね」
何だかんだでそうなのだ。袁術もまだ幼いのだ。
「それじゃあなの」
「そうだ。それにしても曹操殿」
「何よ」
「貴殿の病気は何とかなるぞ」
この話に戻った。そうして言う華陀だった。
「確かに後ろからは効果があるがな」
「若しそんなことしてみなさい」
曹操の目が真っ赤になり身体を殺意の波動が覆う。
「貴方、首ないわよ」
「おいおい、本気なんだな」
「完全に本気よ」
こう言うのだった。
「若し言ったら」
「だがもう夏侯惇殿や夏侯淵殿は」
「もっと言えば麗羽も知ってるわよ」
幼馴染みの面々はだというのだ。
「ちゃんとね。けれどね」
「それでもなのか」
「他言無用よ。けれどよ」
「わかっている。患者のことは話さない」
それは確かに答える華陀だった。いつものきりっとした顔に戻ってもいる。
「安心してくれ」
「わかったわ。それにしてもよ」
「治るかどうかだな」
「それは本当なのね」
「画期的な方法が見つかった」
「画期的!?」
「それを実践してみよう」
華陀のその話を聞いてだ。曹操は怪訝な顔になりだ。
こうだ。彼に対して尋ねたのだった。
「お腹切るとか?」
「それとはまた違う」
華陀はそのことも否定した。
「刃の類は一切使わない」
「お尻にもよね」
「そうだ。まあ口からだからな」
「とりあえずお願いするわ」
曹操にしても何とかしたかった。そうしてだった。
曹操は華陀の治療を受けることになった。それはこの国にはなかったものを使ったものだった。
第百十八話 完
2011・10・16
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