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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百十八話 程昱、猫を愛でるのことその五

「世界は違うにしても」
「どうだい?実際に牛や山羊の乳は美味いだろ」
「そういうのはな」
「馬のお乳もいいですよね」 
 周泰はそちらに言及する。
「流石に人のものとはいきませんけれど」
「十八歳以上は駄目になりますから」
「けれどお乳を飲むのも」
「いいと思います」
 それはいいとだ。周泰は言った。
「身体にいいですから」
「まあ身体にいいのは色々さ」
 ヘビィ=Dは笑って述べる。
「だから牛乳もな」
「はい、それでは」
「飲みましょう」
 周泰だけでなく程昱も応えてだった。
 そのうえでだ。彼等は昼食に入った。その煮豆にマッシュポテト、それと牛乳だ。そうしたものを食べながらだ。程昱が言った。
「それでなんですが」
「どうしたんだ?」
「はい、見て下さい」
 見るとだ。彼等の周りにだ。
 猫達が来ていた。その猫達を見てだ。程昱は目を細めさせていた。
 そのうえでだ。ヘビィ=D達に言うのである。
「この子達にも食べものをあげましょう」
「はい、それではですね」
 周泰が満面の笑顔で応えてだ。すぐに何処からか煮干を出してきた。
 そのうえで皿の上にそれを置いてだ。猫達に差し出して言う。
「はい、どうぞ」
「周泰さんもなのですね」
 程昱は目を細めさせたまま周泰に言う。
「猫ちゃん達が」
「はい、猫様大好きです」
 何と様付けだった。
「こんな可愛い生き物ないですよね」
「猫は神様です」
 程昱もここまで言う。
「いてくれるとそれだけで」
「違いますよね」
「心が和みます」
 実際に目尻を思いきり垂らしてだ。程昱は言う。
「まさに神様です」
「猫様が一杯になれば」
 周泰は猫達に煮干をやりながらさらに言う。
「天下泰平になります」
「その通りです」
 これが二人の意見だった。そしてだ。
 ヘビィ=Dも皿を幾つか出して来てそれぞれにだ。ミルクを出した。しかしそれは。
「ああ、牛乳じゃないな」
「違うやつだな」
「猫用のミルクだ」
 こうラッキーとブライアンに答える。
「それだよ」
「猫には人間用のミルクは駄目だからな」
「牛乳とかはな」
「猫は繊細なんだよ」
 ヘビィ=Dはこのことを強く言う。
「だからな。こうしてな」
「ちゃんと猫用のミルクを飲ませる」
「そうするんだな」
「実際に今もそうしてるしな」
 ヘビィ=Dはまた言った。
「俺の猫にもな」
「あっ、そういえばヘビィ=Dさんって」
「可愛い猫ちゃんを飼ってますね」
「ああ、こっちの世界に来た時に一緒だったんだ」
 そうだったとだ。彼は周泰と程昱にも話す。
「これも何かの縁だな」
「あの猫様ってそうだったんですね」
「ヘビィ=Dさんの守護猫だったのですか」
「ははは、そうだな」
 程昱の守護猫という言葉にだ。彼は笑って返した。
「あいつがいないとな。俺は寂しくてやっていけないからな」
「それが猫ちゃんです」
 また言う程昱だった。
「いればそれだけで人を幸せにしてくれます」
「まあ確かに猫はいいけれどな」
「それは確かだな」
 ラッキーもブライアンもそのことは認めた。猫の偉大さを。
 
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