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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百十七話 社、三姉妹と競うのことその六

「私だって騙されたら怒るんだから!」
「そうよ、よくもやってくれたわね!」
「許さない」
 張梁と張宝も言う。こうしてだった。
 三人は三人の歌を歌う。その時にだ。
 陣の至る場所でだ。歌える面々が歌っていた。
「わらわ達の歌を聴くのじゃーーーーーーーーーっ!」
「では皆の者行くぞ!」
「しかと聴くのだ!」
 袁術も関羽も張飛もだ。それぞれの舞台から兵達に告げる。それをはじまりとして。
 それぞれ歌いだ。オロチの術に対する。そして。
 そのオロチ達にだ。三姉妹とアテナ達が向かう。お互いに一曲ずつ交代しながらオロチの歌に対する。それに対してオロチは常に彼等だけで向かっていた。
 その交代で攻めるやり方がだ。次第に功を奏してきた。
「あれっ、いけてる!?」
「そうね。奴等押されてるわ」
「私達の歌に」
 三姉妹は自分達の歌を歌い終えてアテナ達の歌を聴きながらオロチ達を見て言う。
「何かオロチの歌が押されてきてるよね」
「少しずつだけれどね」
「勢いは私達に傾いてるわ」
 三人にもそのことが次第にわかってきた。
「ううんと。交代で歌ってるせいかな」
「あたし達とアテナ達は大体互角だし」
「それにオロチとも」
 実力が互角ならばだ。後は体力勝負だった。そしてそうなるとだった。
「私達は交代でやってるから体力には余裕があるから」
「連中は常に歌わないといけないし体力使ってるわね」
「その分だけこちらが有利」
 そういうことだった。社が否定した数の差が出ていた。
 アテナ達が歌い終わりまた三姉妹の歌と舞がはじまる。それに対してだ。
 クリスは歌いながらだ。苦しいものを感じていた。それで言うのだった。
「ううん、少しずつだけれど」
「そうね。向こうがね」
「押してきてるな」
「どうする、社」
 彼はここでドラムの社に尋ねた。
「何か分が悪いよ」
「それに陣の兵隊の奴等も術が解けてきてるな」
「うん、そうなってきてるね」
「まずいな、こりゃ」
 社は情勢を冷静に見て述べた。
「このままじゃ策は失敗だな」
「ならここは一気に」
「切り札を出すの?」
 バイスとマチュアはダンスを続けながら社に尋ねる。
「オロチを降臨させて」
「その力で」
「いや、それにはまだ力が全然足りないんだよ」
 だからだ。それはできないというのだ。
「まだこれからだよ」
「じゃあ今はなのね」
「凌ぐしかないのね」
「とりあえず体力勝負でも自信はあるけれどな」
 伊達にオロチではない。それはあった。
「暫くは辛い戦いになるな」
「それは仕方ないわね」
 シェルミーも演奏をしながら少し残念そうに述べた。
「けれど凌いでいって」
「ああ、音楽で反撃するぜ」
 こう言ってだ。社は今は耐えようとした。そうして一刻程彼等にとって苦しい戦いを続けた。
 その間連合軍の全ての舞台で歌い続けている。曹操は彼女と劉備の曲を歌い終えて少し休憩を取る中でだ。こんなことを呟いた。
「そろそろだと思うけれど」
「そろそろって?」
「あの妖怪達が暴れる頃よ」
 鋭い目でだ。劉備に話すのだった。
「そうなったらいよいよよ」
「ええと。妖怪って」
「ほら、あの無気味なオカマ二匹よ」
 完全に人間扱いしていない。
「あの連中が敵陣に向かったでしょ」
「はい。大爆発の後で」
「奴等が仕掛けるわ」
 こう言うのである。
 
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