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夢幻水滸伝

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第二百三十四話 太原攻略の後でその六

「文字通りのピストン輸送で」
「兵を逃がしてくな」
「分刻みで移動させ」
 そうしてというのだ。
「撤退させましょう」
「そやな、確かに敵兵は城に入ってきてる」
 呉は塔の最上階から戦局を見つつ述べた。
「しかしや」
「城の外に地雷を置いたので」
「その撤去もしててな」
「遅れています」
「そうなってるな」
「砲撃で地雷もかなり吹き飛ばされましたが」
 地雷原自体をだ、羅達はその為にも砲撃を行ったのだ。砲撃はただ城壁を破壊し敵兵を攻撃するだけではないのだ。
「しかしです」
「残ってるとな」
「それだけで足止めになりますので」
「それでやな」
「効果を発揮しています」
「そやな」
「それで、です」
 巴はさらに話した。
「撤退戦に移り弓兵や銃兵の狙撃で敵を足止めもしています」
「それも効果を発揮してるな」
「そうです、ですから」
「今はな」
「南から撤退しましょう、そして」
 巴は呉にさらに話した。
「今度は河北省との境にです」
「そっちにか」
「兵を集めて」 
 そうしてというのだ。
「そこから来る敵の主力に兵を向けましょう」
「太原から攻めないでしか」
 郁はこれからのことを語る巴に述べた。
「そうでしか」
「太原の南は山が多いですね」
「はい、そうなっているでし」
「道はありますが」
 南に進むそれはというのだ。
「しかしですね」
「山の中にあるでしからね」
「こちらはそこで伏兵を配することが出来ます」
「それを警戒してでしか」
「羅さん達はこれから占領した太原の守りを固め」 
 そうしてというのだ。
「主力は河北省と河南省の境に向け」
「そこからでしか」
「騎兵隊を主力として」
「攻めてくるでしか」
「そうしてきます、山は騎兵隊を使いにくいです」 
 太原の南はというのだ、巴は郁に自身の頭の中でこの世界の中国の北の実を出しつつそのうえで話した。
「それを考えますと」
「そっちから来るでしね」
「そうかと」
「そやろな、ほな私達はすぐに撤退して」
 呉は巴のその話を受けて述べた。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「すぐにや」
「そちらに兵を向ける」
「そして羅さん達と戦うで」
「それでは。しかし今回は完敗です」
 苦い顔でだった、巴はこの言葉をここで出した。
「ほんまに」
「ここで敵を退けてな」
「戦を終わらせるつもりで」
「こっちも万全の備えをしたがな」
「ここで敵軍を退け」
 太原を守りきってというのだ。 
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