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夢幻水滸伝

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第二百三十四話 太原攻略の後でその五

「そやけどですね」
「これはあかんですし」
 郁も言った。
「砲撃と特に」
「星のモンの数でな」
「圧倒的にですし」
 まさにというのだ。
「攻められてですし」
「城壁を壊されたさかいな」
「特にです」 
 巴は上空で自軍の兵を叱咤激励し采配を振るう羅を見て言った。
「あの人ですね」
「羅さんな」
「采配も見事ですが」
「個人の武勇もな」
「恐ろしいものです」
「そやからやな」
「はい、この戦では」
 太原のそれではというのだ。
「思う存分やられました」
「こっちの備えはな」
「対空砲も術も罠も」
 実は城の周りに多くの地雷も用意しておいたのだ、これは巴の策で数の多さで攻めて来る羅軍に備えていたのだ。
「用意しましたが」
「全部な」
「羅さんの采配と武勇にはです」
「負けたな」
「はい、ですが」
 それでもとだ、巴は述べた。
「戦はまだ終わってません」
「そやからでしね」
「そうです、戦局は明らかです」
 それでとだ、巴は郁に話した。
「そうですさかい」
「ここでですしね」
「今はまだ充分に間に合います」
「軍を撤退出来ますしね」
「撤退しましょう」
 巴は呉にも話した。
「そうしましょう」
「こうなってはしゃあないな」
「はい、私達が後詰めを務め」
 そうしてというのだ。
「馬も鉄道もです」
「全部使ってやな」
「物資はもうしゃあないです」
 攻められて劣勢となっている状況ではというのだ。
「兵を優先させて」
「そうしてやな」
「撤退させましょう」
「傷付いたモンからな」 
 呉は強い声で述べた。
「そうさせよな」
「列車は矢次早にです」
「出してな」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「馬も使い」
「撤退させるな」
「そうしましょう、幸い南は開いています」
 城のそこはというのだ。
「そこには敵兵もいないので」
「丁度ええな」
「はい」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「今のうちにな」
「下がりましょう、駅の守りを固め」
「駅はな」
「はい、あそこを奪われますと」
 その時はというのだ。
「撤退に支障が出ます」
「そやからな」
「あの場所の守りを固め」
 そうしてというのだ。 
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