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八条学園騒動記

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第六百五十三話 皇帝と王の違いその六

「起源がどうでも韓国にプラスになるか」
「ならない」
 タムタムは一言で答えた。
「自明の理だ」
「そうだな」
「そうだ、そんなことはだ」
 決してというのだ。
「日本酒の起源がマッコリでもな」
「例えそうでもだな」
「まさにだ」 
 タムタムはそのマッコリを飲みながら一呼吸置いてから述べた、その味が濁酒に酷似していると思いながら。
「それがどうしただ」
「そうだな」
「それで終わりだ」
 まさにというのだ。
「その他のことはな」
「何もないな」
「マッコリの売り上げにもならない」 
 タムタムはこうも言った。
「一切な」
「そうだな」
「マッコリを売る為にはだ」 
 そして利益を上げる為にはというのだ。
「マッコリの美味さを宣伝することだ」
「起源を言うことじゃないな」
「そもそも米で造った酒は何処でもある」
 今の連合ではというのだ。
「別に珍しいものじゃない」
「ライスワインって言ってね」
 ロミオはピーナッツを食べつつ話した。
「もう何処でもあるよね」
「連合ならだな」
「日本酒と言うけれど」
 それと共にというのだ。
「ワイスワインとも言ってね」
「連合中にあるな」
「起源を言おうと思えば」 
 それこそというのだ。
「事実はどうであれね」
「何とでも言えるな」
「そうだよ、それでタムタムが言う通りにね」
「マッコリが日本酒起源でもだな」
「それがどうしたでね」
 それでというのだ。
「終わりだよ」
「そうだな」
「うん、マッコリ自体が美味しいなら」
「実際に美味いな」
「濁酒の味でね」
「甘くてだな」
「いいと思うよ、韓国料理は辛いから」
 唐辛子をふんだんに使ってだ。
「だからね」
「それでだな」
「この甘いマッコリも合うし」
 それにというのだ。
「それと合わせて宣伝したらね」
「いいな」
「そう思うよ、僕は」
「それが正しい戦略だ」
 タムタムもその通りだとした。 
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