夢幻水滸伝
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第二百三十二話 傭兵隊長からその七
「ヤクザ屋さんの世界もな、おらもな」
「ご存知で」
「それで、ですね」
「ああした者達の用い方も心得ておられますね」
「だからですね」
「そうしてく、街や村にな」
それにというのだ。
「そうした連中もな」
「加えていき」
「勢力を徐々に拡大させていきますね」
「そうしていきますね」
「そうするで、ウイグルの統一や」
目指すのはというのだ。
「そしてな」
「そのうえで、ですか」
「その次はですか」
「中国の統一ですか」
「そうするで、ただ西には向かうことはせん」
ウイグルの西にはというのだ。
「ロシアの方にはな」
「西域ですか」
「あちらにはですか」
「行かれませんか」
「あそこはもうロシアの勢力になってるさかいな」
それ故にというのだ。
「入ったらあかん」
「ロシアというとエカテリーナ様ですね」
「氷帝とも女帝とも言われる」
「あの方ですね」
「あの方はですね」
「敵回したらあかん」
絶対にというのだ。
「むしろ境を接したらそこの守りを確かにすべきや」
「攻めて来るかも知れない」
「だからですね」
「ロシアには入らないですね」
「しかもインドと結婚してや」
これは文字通りのことだ、エカテリーナとインドを支配するタゴールはこの世界では結婚し同君国家となったからだ。
「一緒になったからな」
「尚更ですね」
「あの人口の多いインドと」
「そうもなったので」
「手出しなんかしたらあかん」
絶対にというのだ。
「そやからええな」
「はい、ロシアには入らない」
「境を接しても」
「逆に守りを固める」
「そうしますね」
「あちらにはな、あとウイグルの統一はしても」
それでもともだ、金は話した。
「それからは東に向かいたい」
「東ですか」
「南ではなく」
「そちらですか」
「こっちは馬や駱駝の兵が多いが」
兵種のことから話した、今度は。
「南のチベットはな」
「高山地帯です」
「かなりの標高です」
「それが天然の要害にもなっています」
「馬や駱駝で進めん、線路を敷くにも限られる」
チベットはそうした地だというのだ。
「そやから今は勢力の空白地でもな」
「それでもですね」
「あちらには進出しませんね」
「ウイグルを統一しても」
「そうする、進出すれば」
その時はというのだ。
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