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夢幻水滸伝

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第二百三十二話 傭兵隊長からその五

「中国ではです」
「まだやな」
「そこまでは」
 とてもというのだ。
「達していません」
「そやな」
「ですからそれはまだ」
「出来んな、そやから馬に駱駝に」
 金は親父にも話した。
「まだある」
「まだですか」
「列車や」
 これだというのだ。
「線路を敷いていってな」
「鉄道を走らせてですか」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「ことを進めてくで」
「鉄道ですか、いいですね」
 市長は金の今の言葉に目を輝かせて応えた。
「あれはかなり速く」
「しかも多くの人やものを一度に動かせるな」
「はい」
 まさにとだ、市長は答えた。
「あれは」
「人の足や馬よりずっと速い、空船はあっても高価やしな」
「我々もまだ持っていません」
「そやからここはな」
「馬と駱駝にですね」
「列車をな」
 この三つをというのだ。
「使ってな」
「そうしてですね」
「ウイグルを統一するで」
「そうしますね」
「ほんま自動車とそこから派生する戦車が欲しかったが」
 金はこの望みをここでも話した。
「ないもんはしゃあない」
「だからですね」
「使うもんを使うしかないしな」
 このことはこの世界でも同じである、人はそこにあるもので何かをするしかないのだ。あるもので別のものを生み出せても全くないものはどうにもならないのだ。
「そやからな」
「それ故にですね」
「ここはな」 
 まさにというのだ。
「そうしてくで」
「馬と駱駝とですね」
「列車や、線路を敷いて」 
 そうしてというのだ。
「鉄道を走らせてな」
「多くの人やものを輸送させて」
「そしてな」
「戦になってもですね」
「戦場に一度に多くの人やものを送って」
 そうしてというのだ。
「怪我人も安全な場所に送ってな」
「治療して」
「死んだモンも復活させて」
 そうもさせてというのだ。
「ことを進めるで、賊やモンスターもな」
「退治していきますね」
「そうしていってな」
「そしてウイグル全体をですか」
「統一するで、ほな馬と駱駝をよおさん用意して」
 金は早速言った。
「線路を敷いて列車を動かすで」
「いや、列車を使いますか」
 親父も目を輝かせて話した。
「それはまた」
「意外やったか」
「はい、確かに中国でも走ってますが」
「あれは滅茶苦茶使えるもんや」
「移動にですね」
「そして輸送にな」
「使いますね、そしてウイグルを統一すれば」
 その時のこともだ、親父は話した。 
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