夢幻水滸伝
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第二百三十二話 傭兵隊長からその四
「話で済めばええ」
「ではですね」
丁度そこにいた市長が言ってきた。
「他の街や村に使者を送って」
「こっちに入る様に言うで」
「そうしていきますね」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「勢力を拡大させる、あとこの辺りはあまり水もなくて農業は向いてへんが」
「それでもですか」
「川や湖の近くではな」
即ち水がある地域ではというのだ。
「やってくで」
「そうしますか」
「そうしてく、後商業もな」
これもというのだ。
「娯楽関係以外のこともな」
「充実させますか」
「交易の商人の安全は守る」
これは絶対だというのだ。
「そしてな」
「そうしてですね」
「交易でも利益を得てな」
「豊かになりますね」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「勢力もな。吐魯藩とか鳥蘇まで拡大して」
「そうしてですね」
「甘粛省との境までいって」
そこまで勢力を拡大してというのだ。
「ジュンガル盆地やタクラマカン砂漠の方もな」
「勢力を拡大させて」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「勢力に収めてくで」
「そうしていきますか」
「それでウイグル全体をな」
この地域をというのだ。
「統一したい」
「そうですか」
「まずはな、ただウイグルは広いけどな」
地域自体の話もだ、金はした。
「人口は少ないな」
「その面積に比例して」
「そやな」
「中国の他の地域と比べて」
どうしてもという口調でだ、市長は話した。
「人口密度は低いです」
「そやな」
「ですから」
それでというのだ。
「広い地域を少ない人口即ちです」
「少ない兵でな」
「統一するかです」
「それはもう考えてる、馬や」
これだとだ、金は市長に答えた。
「それに駱駝やな」
「騎兵隊ですね」
「それを使う」
この兵種をというのだ。
「中国では駱駝に乗って戦わんが」
「それでもですね」
「輸送に使えるからな、出来れば車も使いたいが」
ここで言う車は自動車である、この世界の中国の技術レベルは産業革命を達成し二十世紀初頭のレベルに達していて自動車も存在しているのだ。
「まだまだな」
「あの、自動車は」
流石にとだ、親父が怪訝な顔で語った。
「かなりの金持ちの」
「持ってるもんやな」
「道楽の様なもので」
「まだそやな」
「アメリカでは大量生産に入っていますが」
それでもというのだ。
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